Silent Striders
 The Long and Haunted Journey


「北東からワームの従僕が迫ってきておる。注意せよ。」
 
■永遠の漂泊者
■伝令の部族
■秘密の守護者
■死霊と共に歩む
 
起源
 <狼>は<死>の秘密を知っているのだ、と聞くことがあるかもしれん、ある程度までは本当じゃ。だがな、全てのガルーの中で、ストライダーズこそが二度ならず、その秘密を学び、来世の守護者としての使命を重く考えているのだ。よいか、ストライダーがどうやって、かの骨ばった手から<死>の英知を掴みだしたかという話は数多ある。わしが今から話すのは、部族が生まれるより前、ガルーがまだ光あふれ緑なす世界でたわむれる仔狼で、なにが起こるか知りもせんかった頃のことじゃ。

 <死>がやって来たのは、ゴーントレットの生まれたあとじゃ。形あるものと魂がまだひとつで、<死>の必要がなかったころ───全てのものは途切れることなく存在し、ただ別の何かに変わって行くだけじゃった。だが、ひとたび魂の世界が、肉体の世界から切り離されるや、知っておるように皆死ぬようになった。

 ガルーが<死>の秘密を知るのは、ゴーントレットが出来てからそう経たぬうちじゃ。死者の魂はどこに行くかも知り、すんなりこの新しい理を受け入れた。

 だが、ガルーのある娘がもっと知りたいと望んだ。この娘は、河沿いでもとくに賢いものの一頭で、友達やなじみの者たちを強く愛しておった。また、探求心が旺盛で、複雑な質問の答えを常に捜し続けておった。この娘は、新しくやってきた<死>は非常に賢いはずだと思った、なぜなら<死>はあらゆる賢き先祖たちを自分の地に囲い、いつでも彼らと語らっているだろうからじゃ。そこで、彼女は父親に、死者の国を訪ね、<死>の偉大な知恵を少しばかりでも学んできてもよいかと、何度も何度も聞いた。最初は拒んでいた父親も、ずっとそうしていることはできなくなった。ついに、父親は娘がダーク・アンブラに赴き、<死>がもっと秘密を隠しているか尋ねに行くのを許した。だが、長旅に出発する前に、父親は自分の友人<フクロウ>を呼んだのだ。

 「<フクロウ>よ」父親は言うた。「わたしの娘と<死>の館へ同行し、娘が無事戻ってこれるよう面倒をみてもらいたい。<死>の領地は暗い、そなたの鋭い眼で娘を見守ってくれるのならば安心なのだ」

 <フクロウ>は快く同意し、娘が出発すると、それに同行した。彼ら二匹は、陰気な道での道中あまり言葉を交わさず、自分の考えに注意を向けていた───娘は行く手にある知恵のことで頭がいっぱいで、<フクロウ>は娘を愚かだと思っていたが、それを口に出すつもりはなかった。

 ついに、彼らは<死>の館に到着した。若きガルーは扉の前に進み、扉を叩いたが、<フクロウ>は門の外で待った。<死>は扉を開け、娘を招き入れた。娘が入ると、鉛の板が落ちるような音とともに、再び扉は閉じた。
 <フクロウ>は門で待ったが、扉はもう開かなかった。<フクロウ>は待ちに待ち、一月が過ぎた。そして、扉まで飛んでいき、中に呼びかけた。

「若いの! もうここにいるのは十分だろう、父上が心配するぞ! 出てきなさい、帰って、狩りに出かけよう!」

 扉とは違う方向から<死>の声が聞こえた。

「彼女はまだ帰らんよ。夕餉も済ませておらんのだ。<フクロウ>殿、そなたも入ったらどうかね。わたしは気前のよい主人なのだ、食べ物も飲み物も、居心地のいい止まり木も用意しよう」

 だが<フクロウ>はよく知っていた。<大分断>(Severing)以降、多くの人や生き物が死に、だれも還ってこないのを見てきていた。「<死>よ。あんたは素晴らしい主人かもしれん」<フクロウ>は返答した。「素晴らしすぎるのかもしれん。お客を帰してくれるよう、わしではあんたを説得できんのなら、あんたに頼んでくれる、誰か他のものを見つけにゃならんな」

 そして、<フクロウ>は闇の地から飛び立ち、魂の世界の表面まで戻った。木々よりも、雲よりも、ついには星よりも高く飛んだ。そして、大精霊がたたずみ、世界中に眼を配っているフェニックスの館に行った。

 「力強きフェニックスよ」<フクロウ>は言った。「わたしの友が、英知を求め<死>の館に行ったのですが、<死>は彼女を再び解放しようとしません。助けてくださいますか?」

 フェニックスは微笑んだ。「わたしはもう知っているのだよ」彼は言うた。「わたしたちは、時そのものよりも高い場所にいるのだ、だからわたしは、今起こっているあらゆることも、これから先いつか起こることも知っているのだ」彼は、翼を広げた。

 フェニックスは続けた。「彼女は賢いが、自分で思っているほどではない。<フクロウ>よ、そなたとの友情と同じく、彼女が好きだ。彼女を助けよう」

 フェニックスは止まり木から飛び降り、ダーク・アンブラの世界へと下った。彼は<死>の館の窓から飛び込み、羽根から吹き出す炎が、かつてないほどに明るく灰色の館を照らし出した。<死>は光と色彩の爆発から後じさり、椅子からよろめいた。若きガルーは何もしていなかった───眠っているかのように、空っぽの冷えた暖炉の前に横たわっていた。彼女の毛皮からはあらゆる色彩が盗まれ、影のように細く、暗くなってしまっとった。

 フェニックスは彼女を爪で掴み、力強い翼を打った。風切り羽根から四方に炎がうねり出し、影の世界を光で洗った。フェニックスは上空に舞い上がった、死者の国の外、中つ世界を通り、空より上へと。

 フェニックスの火に暖められると、生命が戻り、若きガルーは身動きした。彼女は眼を開き 、天上界を見渡し、そのあらゆる美しさに息をのんだ。

 「星々の表情を見つめて自分を苦しませてはいかん」フェニックスが命じた。「肉体の束縛から抜け出してからでも遅くなかろう。代わりに、下界を見るのだ。何者も持っておらぬ英知が望みなら、これを見るがよい」

 わしたちは皆、彼女がその時見たものが何か知っておる。彼女はその話を何度も何度も繰り返したでな。わしたちは、彼女のビジョンを「フェニックスの預言」と言っておる、ガルーが賜ったものの内で、もっとも真に迫った警告のひとつじゃ。だが、現世に彼女を戻すために、フェニックスが下ろうとした時、彼女はつい、故郷、大河の地を盗み見してしもうた。
 彼女は、友達、子孫、家族を見つけようとした、彼女に見えたのは───何も見えんかった。太陽の谷を歩くガルーは一人としておらず、ケムの夜は、盗んだ血で膨れあがった蛇どもに巣くわれておった。

 かくして彼女は、アポカリプスを待たずとも、もっとあまりに早くやって来る出来事を嘆くことになったのじゃ。
 

解説
 サハラの荒野から生まれたサイレント・ストライダーは、物質界、精霊界の両界をどこまでも遠く、広範に歩んでいます。ストライダーズは、ガルーが既知のあらゆる土地(また、未知の多くの土地も)を、縦断、探検し、調査しています。未知のものに光を当てるために、サイレント・ストライダーズは虚無への道を開くのを、ずっと使命としてきました。
 皮肉なことに、この部族についてはあまりよく知られていません。好きなように出たり入ったりしながら、ストライダーズはガルー社会の周縁に生きています。他のガルーと接するのと同じぐらい精霊やメイジたちとよく接しています。ワームの活動の兆しを示す事柄を多く収集しようとしているからです。

 ストライダーズは物語を愛し、このストーリーテラーの技術にかなうのはフィアナだけです。話する側になるよりも聞く側になるほうを好みますが、まれに彼らが話をすれば聴衆は深い畏敬の念を抱くことになります。会話を通じて、重要な情報を引き出す達人で、サイレント・ストライダーズと話していたガルーが、何もかも教えてしまったのに、何も教わらなかったという気になるのもよくあることです。

 こうした性癖と、ストライダーズは自分たちの信念や儀式を語るのを拒んでいるため、他のガルーたちから疑いの目を向けられています。ストライダーズはしばしば、差し迫ったワームの襲撃の知らせを携えてどこからともなく現れます。他のガルーたちはこれを間違ってとらえがちで、ストライダーズは不吉の前兆だと、悪く言います。

 知性と知識を何よりも尊びます。ワームが汚染した地の真ん中までしばしば旅を進め、ワームの本質をどのガルーよりも理解しています。ワームに寝返ったストライダーズは、真に恐ろしい敵です。
 
歴史

 サイレント・ストライダーズたちは、インペルギウムウォー・オブ・レイジが終了して、ガルーが部族に別れた頃、ある大河の流域に芽生えつつあった人間の文明と関わりを持つようになりました。つまり、ナイル河が育んだ、ケムの地(The Land of Khem)ことエジプトです。

 死後の世界を強く意識したエジプト人たちの文化は、ストライダーズの関わりの結果だとも言われています。アンプゥ(Anpw)あるいは、ギリシャ語でアヌビスという名の犬頭人身の神の伝承はその証拠でもあるといいます。実際、死者の住むドゥアト(Duat)または<影の地>(Shadow Land)のどこかにはアンプゥ自身が暮らしているという噂もあります。

古代エジプトの死生観では、死んだ人間はますデュアトという死後の世界に赴きます。そして、アンプゥの手に乗せられ、マッティ(Maati)という死者を裁く広場に連れて行かれ、天秤にかけられます。もし、その死者の心臓が、マット(Ma'at)のように軽く、清らかであれば、許され、転生できます。そうでない場合、魂を食い尽くす獣に滅ぼされてしまうといいます。
 マットとは真に釣り合いのとれた全存在を指すストライダーズ独特の概念のことで、ガイアと言い換えてもかまわないのかもしれません。つまり、この神話には、ストライダーズには、人間たちをガイアの意志へと導き、教育する使命があるということと、マットの道に従わない人間はワームに永劫に捕らえられてしまうという警告とが、暗喩として秘められているのです。

 エジプトで繁栄していたストライダーズでしたが、セトとオシリスという二人のバンパイアの登場が彼らに悲運をあたえます。セトは上エジプトの砂漠を支配し、オシリスは、下エジプトのデルタ地帯を支配していました。彼らは、互いに全エジプトの支配を賭けて争っていました。
 ストライダーズは最初、どちらの陣営にも力を貸すつもりはありませんでした。セトがワームの力に強く汚され、一方オシリスはバンパイアの汚れた力を嫌っていることを知ると、オシリスの側について、セトの子供たちを倒していきます。ストライダーにとって、オシリスがセトを滅ぼした後で、オシリスをエジプトから追い出せばよいという心づもりもありました。

 この戦争の時、オシリスは、魔術師の妻と力を合わせ、古代の秘技で、息子のホルスなどを不死者マミーに変えました。ホルスは、オシリスがセトに敗れたあとも、セトと戦い続けました。しかし、ホルスもセトに敗れ、セトが力を握るようになります。
 自分の血族を確立し、腐敗と退廃から力を得たセトは、ストライダーズの攻撃も退けるようになりました。そして、セトはストライダーズの大英雄たちの名前を探り出し、名前の持つ大きな力を利用して、強力な呪いをかけたのです。

 「わが語る名において、狼どもよ、なんじらを呪う。われはなんじらに印をつけ、なんじらは永久に死せし父と母と隔てられん。わが手にて触れ、なんじらを呪わば、なんじらは同胞と同じ地では安らぐことあたわざらん。なんじらの祖先の名は忘れ去られ、祖先たちの霊はドゥアトにて飢えて、消え去らん。わが命とともに、なんじらは追放され、権勢を失い、永久に迷い続けよう」

 そして、その通りになりました。以後、ストライダーズの祖先たちが子孫を助けに現れることは無くなりました。追放されたストライダーズたちは、四方八方へ散っていきました。ある者たちはアフリカ大陸へと去り、そこでジャッカルや部族民たちと暮らすようになりました。 クロアタン、ウクテナ、ウェンディゴたちの後を追った者もごくわずかいるという話もありますが、その後の消息は知れません。多くの者たちが東へと向かい、ジプシーことロマニーと出会いました。ストライダーズたちはロマたちに自分たちと多くの共通点があるのを発見し、ロマたちをキンフォークとします。ロマのことを、エジプト人とする逸話の由来は、このあたりにあるのではないかという話もあります。

 ローマ帝国の栄光、力といったものは興味深かったものの、ストライダーズにとってその性質はなじめないものでした。また、キリスト教に席巻されたヨーロッパも、ストライダーズの好みには合いませんでした。しかし、ストライダーズたちは、大量のジプシーたちと、ヨーロッパに再び戻って来ることになります。

 新大陸のことが知られ、移民時代が始まると、ストライダーズたちもそれに興味を引かれました。巨大な大陸には、漂泊する部族が安住するだけの余裕があるかもしれなかったからです。しかし、最初に到着したストライダーズは、すでに新大陸にはウクテナ、クロアタン、ウェンディゴたちがおり、権利を主張しているのを知ります。そのストライダーズは外れた期待を忘れ、在来のガルーと平和を約束し、ヨーロッパのガルーとの橋渡しをすることに決めました。
 ところが、新たな縄張りに飢えた他の部族がアメリカ大陸やオーストラリア大陸に到着したとき起きたのは、戦争でした。
 その結果、クロアタンは自らを犠牲にして消滅し、ほぼ同じことが起きたオーストラリアではバンイップは同族の手によって完全に殺しつくされました。これらの出来事をストライダーズは今でも悲しんでいます。こうした結果にストライダーズが無関係であったかというとそうでもありませんでした、ウェイフェアのキャンプの者たちが、イギリスの貨幣やシルバー・ファングからのフェティシュを目当てに在来のケルンの偵察などを行ったり、少なくないストライダーズが禁忌の封印を暴いてしまったりしていたのです。

 1900年代はストライダーズが特に頭を痛めた時代です。ヴィクトリア朝のイギリスが主導で、失われた故郷エジプト各地のストライダーズの先祖も埋葬されているファラオの墳墓を掘り起こされはじめました。もちろん、ストライダーズはこれを防ごうとしましたが、防ぐことは出来ませんでした。また2回の大戦は、ダーク・アンブラのことに通じたストライダーズを心配させました。感情の存在であるレイスたちは、現世の影響を強く受けてしまうからです。当時のダーク・アンブラの状況は、言語を絶したものだったと言います。第二次世界大戦のドイツでは、ヒトラーにより多数のロマが虐殺されました。ストライダーズは苦悶の叫びに満ちたアンブラを通って、彼らを救出しに行きました。

 今や、フェニックスが、ストライダーズの先祖の一人に見せた預言の成就が近づきつつあります。そうした中で、エルダーたちは綿々と伝え続けてきた秘密……アポカリプス以後のことを伝える、第八番目のフェニックスの預言の内容を他の部族に明かすかべきか否かを巡って論争しています。迂闊に明かせば、他の部族からの不信を招く危険があり、一方でそれは部族の連帯を促進することができるかもしれないからです。
   
社会
 サイレント・ストライダーズには厳格な組織というものがありません。部族のほぼ全ての者が、放浪者や追放者なので、厳格な序列関係はストライダーズにとってほとんど意味を持たないのです。ガルー語の文字やエジプト象形文字、他に暗号などを自分の後に残し、他の者と連絡を取り合います。地下鉄構内の壁を見れば、その地域のバンパイアの餌場がどこかなのかが、サイレント・ストライダーには分かることもあります。

 ストライダーズは互いに出会うことは偶然に頼っていますが、その例外が時折開催される大集会(Grand Moot)で、全ての部族の者の出席が求められます。開催場所は毎回違いますが、長くほったらかしにされ、使う者のいない道路で通常開催されます。部外者には、個々のストライダーズがムートに参加するしないをどうやって決めているのかは不明で、またガルーからガルーへどうやって連絡がついているのかも分かりません。ムートは単に行われるだけであり、「どうやって」ということは部族の秘密なのです。

 全部族の中で、ケルンの数が一番少ないのはストライダーズです。特定の土地に固執することはほぼ無く(ストライダーズが伝えてきた祖先の故郷の話になると別です)、たいていの者は生まれながらの放浪者です。サイレント・ストライダーズが居を構えるとき、それは死に場所を決めるということです。

 ストライダーズのキャンプは、社会的なものや組織立ったものではありません。部族として頻繁に集うことがないので、個々が信じ、実践している思想のようなものです。

■Harbingers(前兆)
 他のガルーたちが、サイレント・ストライダーと聞いて思い浮かべるのは、たいていハービンジャーのことです。彼ら狼たちは虚空から出現したごとく、ムートの時によくいきなり現れ、近く起こることを警告します。警告はたいてい正確です。ハービンジャーは他の部族から高い敬意を払われ、語り始めると聴衆は静まり、じっと耳を傾けます。
 普段はワームの兆候を捜し求め、あちこちを遍歴しているようです。時には同じキャンプの者と情報を交換し合います。

  
■Seekers(探索者)
 最近、このキャンプに属するものの数が多くなってきています。シーカーズはガルー社会とあまり関わりを持たず、人間や狼との関わりとなるともっと薄く、伝承や知恵を収集しながら点々と居場所を変えています。図書館などを頻繁に訪れ、頭に詰め込めるだけの知識を手に入れようとします。シーカーズは一目見たものを、その後何年も忘れません。
 「何が起こるか」を探っているハービンジャーズと違い、「何が起きたか」をシーカズは探っています。
 

■Wayfares(旅人)
 他のサイレント・ストライダーズからこのキャンプは低く見られています。ウェイフェアは使命や知識などそれ自体には興味を示さず、金になる、訓練になる、好みに合うなどを価値の判断基準にしています。たいていのセプトの便利屋として、メッセンジャー、盗賊、スパイなどを請け負っていますが、要求する報酬はいつも高額です。
 

■Dispossessed(奪われた者)
 故郷を失ったストライダーズは、放浪者として生きる道を選びましたが、それに適応できない者たちもいます。ディスポゼッスドは、放浪を止め、一々所に定住しようとしているキャンプです。彼らの行動は、他部族のガルーやワームの妨害を受けています。

 新しい故郷を渇望する彼らは、アポカリプスが来るまで真の居場所は手に入らないと考えるようになり、アポカリプスの到来を早めるべく動いているという噂があります。

●秘密結社

■Eaters of the Dead(屍喰い)

 脳こそが、知識と知恵の宿る場所だということにストライダーズは古くから気づき、ある儀式を完成させました。この儀式を行い、死者の脳を食
べると、その死者の知識を自分のものにできたのです。古代エジプトでは、ストライダーズは人間の墳墓を暴き、この儀式を実行してきました。
ファラオたちが、ミイラを作る際に脳を除去したのは、ストライダーズを妨害するためだとも言われています。

 エジプトから追放されてまもなく、先見の明があるエルダーたちがこの儀式の危険性に気づき、この儀式は禁止されました。使用者に、ワームの穢れを呼び込むためです。イーター・オブ・ソウルズはこの儀式を、それ以後も綿々と伝えてきました。
 知識を求めるイーターズは、人間だけでなくバンパイアの脳も食べているといいます。単にバンパイアを殺すと灰になってしまいます。それを防ぐために、バンパイアの心臓に杭を打ち、動きを停止させてから、まだ意識のあるバンパイアの脳を食べるのです。

■The Bitter Hex(苦い呪い)

 誰がこのキャンプに属しているのかは不明ですが、その存在は公に知られています。ストライダーズは長年、迫害を受けてきました。その復讐のためにこのキャンプは活動しています。
 その復讐には、暴力的な手段を用いず、呪詛、邪視、ジプシー魔術などを用います。
 
形質
 ストライダーは、北アフリカの出身なので、たいていはアフリカ系かセム系の人種ですが、あらゆる人種と血を交じわらせています。ジプシーの出身の者も多くいます。狼の姿の時は、胴長ですらっとしていて、エジプト美術に描かれるジャッカルの姿に似ています。ストライダーのクリノスの姿は、アヌビスやセトといった神々の伝説に大きく関与しているに違いありません。

テリトリー
 語るべきことはありません。サイレント・ストライダーは、気の赴くままに放浪し、およそ一週間以上同じ場所に留まることはありません。
 
保護対象
 サイレント・ストライダーズは、自分たちのキンフォークを前もって捜しておきます。旅の途中で出会った人間を保護することもありますが、キンフォークを全体的に保護することは他の部族に任せています。

名前
 大多数のサイレント・ストライダーは、エジプト系の名前を持っています。自分たちの来歴に高い誇りを抱いているので、支配者や古代の神々の名前をつけることもあります。例えば、プタ、ベス、ラムセス、バスト、アヌビスなど。

 
台詞
 時には、ワームに取り憑かれた糞ったれの目ん玉に唾を吐いて、飛んで逃げなきゃならんこともあるわな。逃げ切れれば、それでよし。追っつかれそうになったら、お前さんの友達のところまで誘うこった。とっ捕まったら……ううむ、もともとそういう仕事するには、お前さんの足はのろますぎたってことだろうな。

――「死よりも速き」メフィ・ファスター=ザン=デス、サイレント・ストライダーのガリアード
 
偏見
ブラック・フューリーズ――魔女たち。共に歩むがよい。何があっても、絶対に「サー」の尊称で呼ぶでないぞ。
ボーン・ノーアーズ――たいていのガルーが思っとるより、ノーアーズは賢いぞ。ストリートで生き抜くには、そりゃ大変な知恵がいる。だが、あまり踏み入ってはならぬぞ。ひどく気分を害するでな。
チルドレン・オブ・ガイア――優しく話しかけてくる。どうして発言力が大きくないのか、不思議がるのもおる。
フィアナ――耳を澄ませ。酔っぱらって話す与太話の中に、学ぶべき真の教訓があるんじゃ。
ゲット・オブ・フェンリス――無知なごろつきども。いつになったら自滅してくれるのやら。
グラス・ウォーカーズ――教養あるガルーたち。生き延びるための鍵は適応じゃ――グラス・ウォーカーズほどこれを体現しとるものはおらぬ。
レッド・タロンズ――動物。己の動物としての来歴に高い尊敬を払うのはよいことじゃよ、だがな怒りに囚われて、心をもたない犬コロになってしもうとる。
シャドウ・ロード――導くのが定めの者がおり、付き従うのが定めの者がおり、あるいは、煉獄から脱けだすのが定めの者もおる。シャドウ・ロードはいっとう最後の者じゃ。
シルバー・ファングス――ああ、まあ、何を言ったもんかの? 崖っぷちにおるのは間違いないよ。いつか我を失って、わしらを皆殺しにするのも間違いない。わしにはもっと話すべきことがあるのも間違いない。
スターゲイザーズ――考えすぎる。内省は、ガイアがわしらに与えた道ではない。結果的に、彼らは何もせん。
ウクテナ――持ち主にきつい代償を要求する秘密というものがある。そういう知識に、彼らが払っとる代価は高すぎるわい。
ウェンディゴ――誇り高きものども。世界の情勢にとっとる態度は、尊敬しておる。あとはただ重い尻を持ち上げて、動いてくれさえすればの。
 


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