イヤ動物のいろは定義
The Alphabetical Definition of Iyaic Animals
いかがわしい(如何わしい)……イヤ動物は素性が明らかでなく、しかも道徳上・風紀上大変宜しくありません。
ろくでもない(碌でも無い)……イヤ動物は総じて何の役にも立たぬのらくらものです。
はずかしい(恥ずかしい)…… | イヤ動物は存在自体が恥ずかしいものですが、中には自分自身を恥じる照れ屋も存在します。
にくにくしい(憎々しい)……イヤ動物には気のいい奴も存在しますが、暴虐な連中がいることを忘れてはなりません。
ほそながい(細長い)……イヤ動物には長くて便利な種も存在します。しかし便利なだけではなく、人間をおっぴくので用心が必要です。
へんな(変な)……イヤ動物はぱっと見て変です。擬態能力をもつ場合この限りではありませんが、それでも違和感は捨て切れません。
とんでもない(途でもない)……イヤ動物は思いもよらない、途方もない連中です。
ちくしょう(畜生)……イヤ動物は所詮、畜生です。
りす (栗鼠)……イヤ動物のサイズが小さいからといって油断はなりません。栗鼠のように恐ろしい種もいるのです。
ぬれた(濡れた)……イヤ動物はぬめぬめ、つるつる、ねばねば、しっとり、得体の知れない液体で濡れていることがあります。
るいるいたる(累々たる)……イヤ動物は群れていることがよくあります。例え死骸となって折り重なっても、大きな破壊力をもちます。
をんなわらは(女童)……イヤ動物と女児との関わりには深いものがあります。
イヤ動物自身が女児の形をとることもままあります。
わからない(解らない)……イヤ動物は基本的に理解を拒むものです。論理的解釈を超越し、彼らはただそこに在るだけなのです。
かんちょう(浣腸/館長/艦長)……イヤ動物といちじく浣腸、図書館長、艦長の関係に深いものがあることは有名です。
ようかい(妖怪)……イヤ動物は間違いなく妖怪と深く関わっています。姿形や振る舞いにそれははっきりと顕れています。
たたる(祟る)……イヤ動物=零落した神であるという説(柳田)があることからわかるように、イヤ動物は時に祟ります。
れきしてきかなづかいの(歴史的仮名遣いの)……イヤ動物を巡る言説には、主に江戸期の歴史的仮名遣いが表れることがあります。
そうぎょう(僧形)……イヤ動物の一部は仏教に関係していることがありますが、仏道に帰依している可能性は低いです。
つくもがみ(九十九神)……イヤ動物は必ずしも有機物起源であるとは限りません。年経た道具もまた、イヤ動物の発生源となります。
ねこま(猫ま)……イヤ動物と猫の関係は深いものがあります。化けた猫が海を渡るとオベイク・ニーコになるのも見逃せません。
なまっぽい(生っぽい)……イヤ動物を触ると、生温かく息づいていることがわかります。しかしその体験はしばしばトラウマになります。
らっきょう(辣韮)……イヤ動物は時に食用になります。しかし食えないどころか、致命的な毒を持つ種も存在します。
むごい(酷い)……イヤ動物と人間、イヤ動物とイヤ動物の間には時に軋轢が生じ、赤子が血を流して倒れるなど酷いことになります。
うろんな(胡乱な)……イヤ動物は怪しく、胡散臭いのです。
ゐやまふ(礼う)……イヤ動物はより上位のイヤ動物を崇め奉ることがあります。これを知性の証拠とするかは議論が分かれています。
のら(野良)……イヤ動物の中には野を徘徊し、飢えて人家や村を襲うものも存在します。その獰猛さには注意が必要です。
おしよせる(押し寄せる)……イヤ動物はひしひしと、あるいは地響きを立てて押し寄せ、不幸な犠牲者をそれは大変な目に会わせます。
くちをきいてはいけない(口を利いてはいけない)……イヤ動物との会話は寿命を縮めます。見ない振りをして立ち去るのが得策です。
やわらかい(柔らかい)……イヤ動物はむにむにした、どこか馴染みのある質感をもちます。
まるだしの(丸出しの)……イヤ動物が大事なところを覆う服を着ることは希です。すぐに立ち、一歩も譲りません。
けのはえた(毛の生えた)……イヤ動物にはびっしりと、あるいはまばらに、縮れた、あるいは滑らかな、毛が生えていることがあります。
ふるい(古い)……イヤ動物の歴史は古く、また個々のイヤ動物も古いことが多いです。
こわい(怖い)……イヤ動物は恐ろしく、年端も行かぬ児童に対しては脅し文句として使われるほどです(ex:早く寝ないとガモが来る)。
えんぎのわるい(縁起の悪い)……イヤ動物に出会うのは、縁起が悪いことです。塩を撒く人も少なくありません。
てんてき(天敵)……イヤ動物の一部には天敵がいます。しかし赤子にとっては大抵のものが天敵のようです。
あじわいぶかい(味わい深い)……イヤ動物は、見れば見るほど味わいが出てくる通好みの存在なのです。
さわがしい(騒がしい)……イヤ動物は群れて騒ぎますが、行ってみると誰もいないことも珍しくありません。
きしょくのわるい(気色の悪い)……イヤ動物は、慣れない人には嫌悪感を催させます。慣れた人はそれを快感に転化できます。
ゆめみのわるい(夢見の悪い)……イヤ動物を知った者に安らかな眠りはありません。夢が新たなイヤ動物を生むこともあるのです。
めっそうもない(滅相もない)……イヤ動物は実体化した煩悩や業です。滅相(業が尽き、命が終わること)は永遠に訪れません。
みんぞくがく(民俗学/民族学)……イヤ動物の民俗学・民族学との縁は深いものがあります。特に大正〜昭和初期が狙い目です。
しわしわした(皺々した)……イヤ動物研究者の間で、未知の新カテゴリー「しわ動物」の噂が囁かれています。
ゑすえふな(SFな)……宇宙にはまだたくさんのイヤ動物が我々を待っています。
ひー(ひい)……イヤ動物に遭遇した人々には、こう叫ぶ選択肢しか残されていないのです。
ももいろな(桃色な)……イヤ動物と男女の不純な関係には深い関係があります。別に左翼思想に傾いているわけではありません。
せいぞうぶつせきにんほう(製造物責任法)……イヤ動物にも、1995年7月1日から製造物責任法が適用されました。
ずえ(図会/図絵)……イヤ動物はグラフィカルな存在で、図会や絵巻物などの中に見出され、また発表されたりします。
ん(無)……イヤ動物は実のところ、私たち一人一人の中にいるものなのかもしれません。
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