2003/03/27 何でこんなことになっちまったんだ?


 「ほい、しまった!」と魚蹴はいいました。「テレホンカードをなくしたぞ。携帯電話も持ってないのに。」

 先日、アカデミー賞も取ったマイケル・ムーア監督『ボウリング・フォー・コロンバイン』を観てきました。タチの悪いドキュメンタリーで大変面白かったです。同じく銃社会であるカナダとの対比にはたまげました。オスカー効果で上映館が増えるでしょうから、是非観ておくことをお勧めします。
 映画が面白かったので、『アホでマヌケなアメリカ白人』(柏書房)も購入。扇情的な邦題のせいで、最初見たときはてっきり嫌米ブームの便乗本かと思って敬遠したものですが、ムーアが書いてるなら話は別だ。なんだよ早く言ってくれよ。
 読んでみて、オスカーの授賞式で、ムーアがブッシュをクソミソに罵倒した理由が解った気がします。ムーアはブッシュが大統領の座に就いたことに、そしてブッシュ就任後にアメリカが陥った事態に、大きな負い目を感じているようなのです。2000年の大統領選挙で、ネイダー(ブッシュとゴアの他に候補者がもう一人いたことを思い出されたい)のそばという、選挙の行方に多少なりとも影響を与え得るポジションにいたにも関わらず、むざむざとブッシュを勝たせてしまったことに対する負い目を。これを大袈裟だと嘲笑することは簡単ですが、ブッシュの「勝利」がものすごい僅差(しかも票の数え方はこの上なく怪しい)で決まったことを考えると、ムーアの言うことはあながち的外れとも言い切れません。この本はユーモアに彩られていますが内容は決してお笑いではありませんし、ことに最終章で書かれる彼の「告白」は、ムーアの本心をよく表しているように思います。
 ところで、ムーアが行なっているような小規模なドキュメンタリー製作というのは、社会問題に対する低所得層からの有効なアプローチになるのではないでしょうか。最低、デジタルビデオカメラとスタッフが数人揃えば作れるんじゃないかな。もちろん取材対象への深い理解が必要ですし、ドキュメンタリー映画作成のノウハウは身に付けておかなければならないでしょう(稚拙な技術で作られた知ったかぶりのドキュメンタリーなんて、責め苦以外の何物でもありますまい)。でも、勉強すれば決して不可能ではないはず。少なくとも、反戦デモなぞよりは実のあることができるんでないかな。
 
 ・マイケルムーアドットコム
 
 ・オスカー受賞スピーチ動画(from Beltorchicca 2003/03/27)
 
 ・ジャーナリストが「民主党の勝利を予測するエッセイ」ページをひそかに取り下げ:批判の槍玉に……ムーア自身が自分のサイトで、予測が外れたエッセイを削除しちゃったというニュース。はははは。確かに、そりゃねえだろうとも言いたくなるよな。結局どうなったのかはわかりません。上述のマイケルムーアドットコムでは、ぱっと見それらしい記事は見つけられなかったです。
 

2003/03/25 柳生つながり


 一日に二回「雪風 フムン」で検索されてきた方、一体うちの何があなたを引き付けたのでしょうか(笑)
 
 ・とみ新蔵『柳生連也武芸帖 1』リイド社,2001.2.26.(524円)
 
 前から雑誌連載は立ち読みで追いかけていたのですが、なかなか見つからなかった単行本、とらのあなに1巻から揃っていたのでようやく読めました。尾張柳生の柳生厳包(としかね)、後の柳生連也斎を主人公とした剣術劇画です。一見「若衆顔」の優男に見えながら恐るべき才を持つ18歳の厳包は、いわゆる美形剣士のステレオタイプですが、生真面目な性格がいい味を出しています。しかも童貞だ。
 この作品の武術描写は、黒田鉄山師などの技を参考にした本格的なもので、それが大きな見所です。ときどき術義の解説が入るのは御愛敬。
 ちなみに著者のとみ新蔵という人、なんと平田弘史の弟だとか! これは知りませんでした。言われてみればなんとなく作風にも似た部分があります。人体の、というか人体の動きの描き方が今の漫画家と全然違いますね。題材に相応しい、要所要所がかっちりと決まった絵柄です。今の人が同じ題材を同じ資料を見て描いたとしても、同じものは生まれないでしょう。
 
 ・リイド社の立ち読みページ……ここで中身がちょっとだけ見られます。
 
 
 ・上山徹郎『隻眼獣ミツヨシ』メディアワークス,2002.3.25.(850円)
 
 同じ「柳生もの」でも、こちらは随分と毛色の違う、唇のぽってりした巨乳のお姉ちゃんが主人公の漫画。将軍家の世継ぎの少女がえらく強い女剣士に助けられるという、同じ著者の『電人ファウスト』の変奏曲ですが、絵柄はかなり洗練されています。メリハリの利いたアメコミ的というか映像的で、見ていて気持ちのいい画です。お話はまだよく見えませんが、真田の化け物たちが敵である様子。この絵柄で忍法やら秘剣やら使うのが愉快。
 

2003/03/19 開戦前夜


 戦争とはそもそもどういうものなのか、自分を含む日本人は根本的なところで理解できていないように思います。今回のイラク問題についての言説を見ても、多くは情緒的な感想か、兵器に関する薀蓄か、あるいは陰謀論に陥ってしまっているように見受けられます。それは軍事理論と国際関係の力学を我々が知らないためでしょうし、にもかかわらず自分の知識の及ぶ範囲で、戦争という巨大な力について何か意見を述べたいという、やむにやまれぬ欲求によるものでもあるでしょう。
 しかし戦争を織り成す変数・関数はあまりにも多く、今回のような限定戦争でさえ、その全貌を把握することは簡単ではありません。僕はほんの数年前から軍事に興味を持ち始めた門外漢に過ぎず、そんなにわか仕込みの知識でものを言うのは控えたほうがいいでしょう。とはいえそこで沈黙するのも芸のない話です。せめて最近読んだ戦争関係のサムシングからいくつかご紹介しようと思います。
 
 ・イラク問題FAQ(from 婦慰夜℃)……できたばかりのページですが、必読。魅力的な陰謀論に触れる前の予防接種としてどうぞ。
 
 ・日本軍事情報センター……軍事アナリスト、神浦元彰さんのサイト。「最新情報」「軍事通信員報告」「メールにお返事」はほぼ毎日更新。たとえ過去の分析が間違っていたとしても記事を残しておくというポリシーには好感が持てます。かなり多忙な合間を縫って更新されているようなので、誤字脱字が多いのは勘弁な。
 
 ・The Country's Going to War……唐沢俊一さん裏モノ日記(2003年3月18日)で知ったネタ。歌詞だけでも高揚してくるようなイヤ歌です。これは聴いてみたいな。
 
 ・誤訳大研究ゼミ……チョムスキーの『9.11』、結局いまに至るまで読んでないんですが、どうやらすごい訳だった様子。「人材をひっぱる溜め池」「皇帝国家」「米国の夜の投下」「ぎりぎり必要な食糧のお預け期間」「この静かな皆殺しに、やさしくなってもらいたい」「同伴者の被害」……だんだん面白いんじゃないかという気がしてきたぞ。
 
 
 ・林信吾『戦争に強くなる本 入門・太平洋戦争―どの本を読み、どんな知識を身につけるべきか
     経済界,2001.8.23.(1400円)

 
 結構前に読んだ本ですがこの機会にご紹介。聞いたことのない出版社から出た怪しいタイトルの本にも関わらず、地味にいい本です。軍事が「知的刺激に満ちた世界」であると言い切る著者の主張は、戦争を学ぶということにつきまとう後ろめたさを吹き飛ばしてくれるでしょう。右左両方から発せられた戦争についての数々の無責任な言説を批判しており、右翼も左翼もファックオフ、お前らジーキーでスカーレルな連中の政治的下心に用はねえ、俺はただ戦争についてのまともな本が読みたいのだ、という人におすすめです。ブックガイドとしても優れているので、イラクとは関係ないですが、軍事を勉強する取っ掛かりとしてどうぞ。
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 以下、まったく関係ない話。『青の炎』映画化の余波で、同じ貴志祐介・角川ホラー文庫の『クリムゾンの迷宮』が店頭に面陳されていますが、これゲームブック小説だからね。知らなかったゲームブック者は見てみるとよいよ。
 

2003/03/17 ようやくマシン復活


 ・グレッグ・ベア『タンジェント』山岸真編,ハヤカワ文庫,1993.11.30.(660円)
 
 実はまだ読んでなかったタンジェント。傑作集の名に恥じない、非常にクオリティの高い短編集で驚きました。もともとベアは好きな作家でしたが、もしかして短編の方が上手いのかも。

 「炎のプシケ」……映画になりそうな宇宙テロSF。『プラネテス』を連想。
 「姉妹たち」……未来の学校もの。『導きの星III』でも扱われていた題材。月並みな感想で申し訳ないが、これからこういう事態は必ず起こるんだろうな。
 「ウェブスター」……孤独なオールドミスの(性的)ファンタジー。うわあ。こういう話は辛い。痛い。
 「飛散」……一つの宇宙船内に交錯する複数の世界線。ベアお得意のモチーフ。
 「ペトラ」……『ミラーシェード』で既読。ガーゴイルの少年が生きる世界はボッシュかブリューゲルの絵を思わせる。
 「白いウマに乗った子供」……物語が禁忌とされる世界でストーリーテラーに逢ってしまった子供。こういう話は好き。
 「タンジェント」……韓国人少年とチューリング(がモデルのキャラクター)の交流が4次元生命との接触に発展。楽しい。
 「スリープサイド・ストーリー」……古く巨大な娼館、「夜の地下鉄」、黄金のオープナー、長い銀色の鋏。魅力的なイメージに満ちた、都市のおとぎ話。
 
 総じて古びてないのに驚きました。ムゥフーン。この人も根っこがファンタジーの人なんだなあ。
 
 
 ・デイヴィッド・ブリン『知性化の嵐A 戦乱の大地 上・下』
       酒井昭伸訳,ハヤカワ文庫,2002.9.30.(上下とも940円)

 
 いよいよ<ストリーカー>の出番が回ってきたアップリフト。対するはとうとうジージョに降臨したジョファーの戦艦! というわけで非常に読ませるんですがまたか! また「次回に続く」か!
 今までは余裕かましてましたが、追いついた今となっては生殺しです。これは辛い。
 はよ続き出してください。要望ついでに一句、

 
 *ハヤカワは
  *文庫のフォント
   *大きすぎ!*
 
 そういやこの前紹介したブリンスレですが、254が秀逸でした。

 ・荒野座……通勤途中にポスターが貼ってあって、なんだろうなと思っていたら、こんなジーキーな団体だったとは。おそろしい。
 
 ・California Academy of Sciences - Skulls(from Weekly Teinou 蜂 Woman(3.16.SUN.2003))……素敵頭蓋骨サイト。こんな画像の多いページを気兼ねなく見られるブロードバンドの素晴らしさよ。いきなりマシンが吹っ飛んでケチがついたが、寛大な我は汝ら愚かな隷環を許そうではないか。
 

2003/03/16 中


 結局寝ないまま吉祥寺に出て、『レッド・ドラゴン』を観ることに。最初はあんまり興味なかったんだけど、エドワード・ノートンが出てると聞いて、観といたほうがいいのかと思っていたのでした。
 ムゥフーン。「羊」シリーズということで、なんかすごいものを見せてくれるのかとつい期待してしまうと思うんですが、地味な印象が拭えませんでした。どっちかというとこれは原作の問題かもしれません。出来は決して悪くない、というかサイコサスペンスとしては水準以上だと思うので、「羊」の前に公開されていたらかなり評価は違ったでしょう。犯人も気弱かつ俺カッコイイな人で、このシリーズの他の悪役と比べるとちと見劣りしますね。素っ裸で家の中を駆け回る犯人が面白すぎなので、すぐ脱ぎたがる特徴を生かせばもっと面白くなったんじゃないか。
 犯人と親密になる盲目の女性がいるんですが、この役者さんは上手かったですね。虎に触るシーンが好き。この二人を主役にしてスピンオフ映画撮ったらいいのに、とか思ってしまいました。


 ・「レッド・ドラゴン」来日会見……VSゴジラ。
 

2003/03/15 牛は怒って帰りました


 池袋の新文芸座のオールナイト企画、「旧ソ連産 奇想天外!! 空想科学映画集」へ。
 実はオールナイトは初めてだったり。さあ朝まで起きていられるでしょうか。ちょっぴりドキドキの魚蹴さんです。(芸風変)

 ・『不思議惑星キン・ザ・ザ』
 名のみ高くて観る機会がなかったキンザザ。
 安っぽいヴィジュアルなんだろうな、という事前の先入観を覆す衝撃でした。でっかい変な物体が空を飛んで近づいてくるという画だけであれほどセンスオブワンダーが喚起されるとは。すごい異世界感。PJ(ピップ・ジュニアでもピーター・ジャクソンでもない)の城とか大好きです。
 しかも驚いたことに、かなり直球のSFで嬉しくなってしまいました。特に終盤、時間SFになったのはびっくり。
 いや、これは根強いファンもつくわ。映画館で観られてよかったです。
 
 ・『UFO少年アブドラジャン』
 ウズベキスタンで大ヒットのSF映画。正直、寝るならここかと思ってました。だって他のと比べると明らかにネームヴァリューで劣るんだもの。むしろ体力を温存するため、ある程度のつまらなさを期待していたくらいです。
 ところがこれが大変面白く。正直すまんかった。
 チープといえばこれほどチープな映画も珍しく、なにしろ出てくるUFOは!(鍋ですらない) しかしその反面、ソ連軍の本物の戦車やガンシップや戦闘機がぞろぞろと。演習地で撮ったバンク映像なんだろうな、と思ってたら違いました。ちなみに劇中ロケットの管制センターが出てきますが、これも本物。恐るべしソ連軍の多大な協力。
 お話のほうは、ウズベキスタンの農夫がスピルバーグに出した手紙という形式なのがユニーク。ナレーションがとてもいい味を出しています。機会があればぜひ観てください。損はしません。
 しかしあの将軍はずるいよなあ(笑)
 
 ・『火を噴く惑星』
 金星探検に出かけたソ連の宇宙飛行士たちの遭遇する事故! 現住生物! そしてテルミンの音色!
 いかにも昔風の冒険SFなんですが、妙に科学考証に凝っているのが楽しい作品。これがソ連らしさなのかな。もちろん科学考証といっても昔のものですから、金星は恐竜の星だったりするわけで。尻尾の痛みが脳に届くまでかなり時間がかかったりするわけで。しかしさらりとパンスペルミア仮説が語られたり、デニケン風の地球人宇宙起源説が披露されたりと、当時としてはかなり密度の濃い映画だったと思われます。
 この映画の目玉はなんといってもロボットのジョン。頭と片腕がないままうろうろするわ、意思なんかこれっぽっちもなさそうなのに自由とか解放とか口にするわ、宇宙探検に連れて来られたくせに防水処置すらされてないわ、足にかっこいい爪は生えてるわ、人間の扱いが超ぞんざいだわ、敬語の命令しか聞かないわ(誰だこんな仕様通した奴は)と、SF映画に出てくるロボットとしてはかなりの萌え度を誇るのではないでしょうか。死に様だけ見るとターミネーター2みたいで観客の涙を誘います。嘘ですが。
 全体としては、科学啓蒙の側面を持ちながらしっかりエンターテインメントしていて、ハリウッドとも日本とも違う、生真面目で直球なSF映画の系譜がソ連にはあったのだなあと認識を新たにしました。今からでもロシアの監督に出資すれば面白いことになるんじゃなかろうか。
 
 ・『妖婆 死棺の呪い』
 これもまた名のみ高くて、の類。民話をそのまま映画化しただけあって、今回の4作品の中では一番きれいにまとまっていました。
 僕はもう最初から最後まで、ウォーハンマーのキスレフの人たちはこんなんだろうなあと思って興奮していましたが、とにかく雰囲気が非常にいいです。神学校といい、コサックの村といい、木造の古い教会といい、素晴らしい。怨霊となって主人公を取り殺そうとする娘もとても綺麗。クライマックスで大盤振る舞いの怪物たちが、今の目で見るとさすがに見劣りがするのだけが残念でした。他はそのままで、これだけ今の技術で撮り直してほしいな。ピーター・ジャクソンでどうかしら。
 
 
  ……寝られませんでした。
 

2003/03/14 チャック開いちょる


 仕事を終えて、ゾビンさんの出る舞台を観に浅草のアサヒスクエアへ。演目は劇団無条件降伏委員会の『偽勅』。 おお。ゾビちんほんとに主役だ(正確には主役が二人なので、そのうち一人なんだけど)。わりと出ずっぱりじゃないですか。幕末の志士と現代のサラリーマンを重ね合わせるテーマで、途中で着物への生着替えショーが(男の)。
 こちらの舞台は二回目ですが、出演者がみんな演ってて楽しそうなのはいいですね。その分、物語性を軽視した脚本は馴染めないし、勿体無いなあと思ってしまいますが……。今回はなんていうんだろう、金属製の高い足場を使った高低差のあるステージで、転げ落ちないかとはらはらしっぱなしでした。素麺喰ってるときも吐き出さないかはらはらしっぱなしでした。殺陣もうっかり当たってしまうんじゃないかとはらはらしっぱなしでした。はらはらしすぎ>自分。

 それにしても浅草は久しぶり。あったかくなったらぶらぶらしたい街です。
 また神谷バーで昼間っから飲みたい。
 

2003/03/12 表紙のトレーキはまるでうん(略)


 前に見たイラストだと縦に長くてチョココロネみたいだったな。
 
 ・デイヴィッド・ブリン『知性化の嵐@ 変革への序章 上・下』
   酒井昭伸訳,ハヤカワ文庫,2001.9.30.(上下とも900円)

 
 ようやく読んだ知性化の嵐@。なんだかんだ言ってもやっぱり面白いな。『閉暗所愛好会』を読んだばかりのせいで、レティとイーのカップルがどうも掘骨砕三絵柄でしか考えられなくなったり、最後まで種属の名前と姿が一致せず、ちょくちょく用語集のお世話になったりしつつも読了。ウルの話し方とフーンの唸り声はなんとなく伝染りナすね。ムゥフーン。これだけ種属がいる中だと、さすがにヒト賛美の嵐にぐったりくるところもあるんですが、まあいいや、ブリンだし。
 ところで世の中には、「異星人描写を読み飛ばして、ハックを「隣に住んでいて主人公をよく小冒険に連れ出す、車椅子の幼なじみ利発系ナオン」と想像して萌えてみる試み(間違ったアップリフト使用法)」を提唱するヒトもいたりして、孤児種属はなんと愚かでジーキーなのだと慨嘆していましたが、読んでみると確かにそういうキャラクター造形になっていてグウの音も出ません。イフニ!
 
 
 ・An Illustrated Guide to David Brin's Uplift Universe……これ、どうでしょうね。面白そうだけど。
 
 ・ブリンスレ……いつのまにやら俳句スレに。

 ・手話で脅迫の4人を逮捕……聾唖者だけの暴力団組織。かっこいい……。
 

2003/03/11 立ち並ぶ豪華便所


 ・掘骨砕三『閉暗所愛好会』三和出版,2003.4.20.(876円)


 皆さんは閉暗所愛好会というものを御存知でしょうか?
 
 それは暗くて狭いところが好きな人達のあつまりです

 わーい、出た出た。以前立ち読みした地上地下化計画みたいな話は第一話の「もぐら」でした。
 ちなみに、各話タイトルは以下のようになっています。

 第一話 もぐら 鼹鼠 mole
 第二話 ビーバー 海狸 beaver
 第三話 とっくりばち 徳利蜂 wasp
 第四話 かき 牡蠣 oyster
 第五話 かたつむり 蝸牛 snail
 第六話 みのむし 蓑虫 bag warm
 第七話・最終話 カンガルー 大袋鼠 kangaroo

 もぐらの漢字が機種依存っぽいですけど。各章の表題の生き物みたいな生態を持ったレディース&ジェントルメンがくんずほぐれつする漫画です。生態だけじゃなくて後半になると形質的にもすごいことに。いや、SFだってこれ。これを見落としている日本のSF界はだめだと思う。蜈蚣MelibeとかSF認定されてるんだから、成年コミックだから不可って法はあるまい。オルガスマシンなんて子供だましですよ!(熱く語る人)
 とはいえ、成年コミックの中でもかなり濃い方だと思われるこの本、万人にはお勧めしません。かく言う僕も、うんこ話ばっかりなのに淡く困惑させられます(笑)。
 なお、あとがきによると次は下水街の続きだとか! ワー!(喝采)
 
 
 ・掘骨砕三 ―IMAGE WAREHOUSE―……掘骨砕三データベースサイト。本人のサイトではないので注意。絵が見られるけど18禁なので注意。

 ・「世界観」変わる集合住宅 「超人」荒川修作さん……以前から注目してた荒川修作構想の集合住宅、とうとう実現へ向けて動き出した様子。すばらしい。「地面と人間が渾然一体となったようなわけのわからない街」が増えていくと、これは面白いことになりそう。佐藤明機世界も遠くない!(ハァハァ)
 あと、どこか『閉暗所愛好会』に通じるものを感じるのでそういう面でも期待(どういう面だ)。まさか荒川修作も掘骨砕三と並べて語られるとは思うまい(笑)。
 
 あらなた幕開け……アラナタ……アナラタ……アタラナ……アラララ、タナララ?(古)
 

2003/03/08 死ぬのはいつかだ


 007のダイアナザーデイを観に行きましたよ。秘宝読んでたら行きたくなってついふらふらと。
 
 ・軍用ホバークラフトかっこいい。チェイスシーンでぼかぼか壊れていくのはちと勿体無いな。もっと派手にホバークラフト同士で撃ち合ってほしかったけど、基本的に兵員輸送車みたいなもんだからしょうがないか。しかし北朝鮮金持ちだなあ。
 
 ・タイトルバックで踊る氷と炎のおねえちゃんたち、すごくムアコックっぽいと思ったんですがどうでしょう。
 
 ・ジョン・クリース、一瞬だけバカ歩き。
 
 ・あんなファンタジック(和製英語)なアイスランドは初めて見た。まあビョークのいる国だしな。
 
 ・氷上チェイスに大笑い、アホだ。カーウォーズってあんな感じよね。
 
 ・ボンドVSグスタフのフェンシングはブロードソードでチャンバラしてて楽しかった。剣術指導はボブ・アンダーソン!……のわりには結構テキトーなチャンバラだったような。まともなフェンシングの方は様になってましたが。あとぼくはフェンシングの女の先生がとてもいいと思った(馬鹿面)
 
 ・北朝鮮の基地や飛行機の機内に日本の兜や刀が飾ってあるのは、やっぱり日本の甲冑も刀も朝鮮起源ニダというアレでしょうか。イカルスのデモンストレーションをしたときに取ってつけたような日本への憎悪表現があることといい、向こうの製作スタッフは笑いどころをよくわかっていると見えます。
 
 ・あとスパムとスパムとスパム(嘘)
 
 

2003/03/04 裸でハサミもって拝まれてるよ


 わ、昨日リンクした秀さんから早速反応が。
 どちらも似たような本である由。アーハー。じゃあいいやー(いいのか)
 そんなわけで吉井さん、許せ(西郷コスプレしつつ)
 どうも反応ありがとうございました>秀さん。ご教示感謝。

 ・小川一水『導きの星III 災いの空』ハルキ文庫,2003.2.28.(860円)
 
 前の巻から結構待っただけあって厚みを増して登場の、異星文明育成SFの最新刊。うおお面白いですよこれは。外文明観察官、辻本司の担当するオセアノ文明はとうとう産業革命を迎え、飛行機械の発明から核開発まで異様な速度で進歩を遂げます。物語が最終巻に向けて収束をはじめる中で、オセアノのみならず既知の全ETIを含む全宇宙を揺るがしかねない謎がその片鱗を覗かせます。
 今まで抑えられてきたものが爆発するように、この巻では物語の中の様々な要素が次々と一線を超えます。面白い! SFだ! 今まで読んだ小川一水の作品の中では、このシリーズが一番好きです。著者の力の入れ具合が伝わってきますもん。まだ読んでいない人は、今のうちに一巻から全部読むことを強くお勧めしておきます。
 あと、裏表紙の内容紹介に「好評ハートフル文明育成SF! 第三巻は航空機開発と核危機の時代」とか書いてあるんですが、その字面はちょっと面白すぎると思います(笑)

 イダタツヒコ『美女で野獣』2巻、黒田硫黄『セクシーボイス アンド ロボ』2巻、奥瀬サキ・志水アキ『夜刀の神つかい』6巻、夢路行『あの山越えて』1巻、とかも買ってます。あとTTTの公式メイキングブックと平沢進の新譜か。どれも面白いからいいんだけど、地味に散財してるなあ。気をつけよう。
 

2003/03/04 君たちは数百年前に葬られた貴族の塚の前にいる


 ・岡本綺堂『綺堂随筆 江戸の思い出』河出文庫,2002.10.20.(820円)
 
 こちらの日記(2003/1/9)を見て興味を惹かれて読んでみました。いや、別段艶っぽい話にそそられたわけではなく(目を泳がせつつ)、以前からこの人の書く怪談のファンだったので、綺堂が昔の世の中のこまごまとしたエピソードを書き連ねたらそらあ面白いに違いなかんべえと。
 で、読んでみましたが、予想したほど細切れの印象はなく、なんというか居住まいの正しい随筆集でした。全体は三部に分かれています。「江戸東京の思い出」「震災の記」「怪談奇譚」です。
 書名から予想されるような話が載っているのは「江戸東京の思い出」です。維新を経て間もない、「江戸時代からはみ出してきた人たち」ばかりが闊歩する東京の描写はそれだけでも面白く、風呂屋やとんびや西郷さんの話など、色々興味深かったのですが、最も強い印象を受けたのは「島原の夢」でした。芝居狂だった綺堂少年の目を通した明治初期の劇場の様子を書いた文章で、観客の息遣いまでも伝えるような生き生きとした描写には驚かされます。買う気がない人でも、本書冒頭に置かれたこのエピソードだけは読んでほしい、それくらい名文です。
 「震災の記」は関東大震災の際の話をまとめたものです。地震そのものの被害が軽微だった綺堂宅では、とりあえず門前に床几や椅子や花むしろを寄せ集め、近所の人たちとビスケットやサイダーを持ち出して「一種の路上茶話会」を開くのですが、この空気がなんとも他に類がないものです。日が暮れると三方が猛火に囲まれていることが判明し、灯りの点かない街をじわじわと火の手が舐めていくのを見守る様子には『トリフィド時代』みたいな破滅SFを連想させるものがあってかなり好きです。
 この震災で綺堂は蔵書のほとんどを失いますが、「父祖の代から伝わっている刊本写本五十余種、(略)父が晩年の日記十二冊、わたし自身が十七歳の春から書きはじめた日記三十五冊、(略)そのほかにも私が随時記入していた雑記帳、随筆、書き抜き帳、おぼえ帳のたぐい三十余冊」と並べたてられると、さぞ悔しかろうと同情してしまいます。蔵書が焼けるのは辛いよなあ。
 「怪談奇譚」はいつものような怖い話ではなく、芝居の元ネタになった中国の物語の紹介が主です。中でも「発塚(はっちょう)即ち墓荒しは支那の特色である」の一文(これだけ取り出すとぎょっとするね)で始まる「発塚異事」が面白くて、塚を荒らす盗賊団が遭遇した怪異譚が色々と並べてあるんですが、なんか読んでたらD&Dがやりたくなってきましたよ。
 いや、面白かったです。偶然にもこれを読んでいる最中、本に呼ばれたというのか、怪談作家としての岡本綺堂を考察したという『綺堂は語る、半七が走る 異界都市 江戸東京』という本を見つけたのでこれも読んでみるつもりです。
 
 ……って、あれ!? 違う! 上のリンク先の本は『江戸っ子の身の上』であって『江戸の思い出』じゃない!
 妙義の女郎のふくみ水の話も載ってたから、たった今リンク動作を確認するまで気付かなかったよ。アホかッ(自責)
 えー、ということで、吉井さん、あなたに嘘を教えてしまいました。詫びるゥ(十文字腹)
 

2003/03/01 In Search of the Room That Could Contain 'Chillout Rooms'


 引っ越そうぜ同盟を結んでいる王子と雨の中不動産屋へ。家賃を折半して同居しようという企みなんですが、今日見たところは、広くていいんだけど高い部屋と、駅から近くて便利なんだけど改装中で中が見れない部屋の二つで、結果保留。めんどくさくて早々に決めたら収納がなくてとても不便な部屋だったという苦い過去(というか今現在住んでる部屋がそれだ)があるので、焦って決めたくはないんだけど。悩ましい。
 ドトールでベーグルサンド食ってたら隣の席のおばちゃん二人に王子が女の子と間違われるというイベントグラフィックなど見た後、会議に行く王子と別れて、なんか映画でも見ようと近在のシネコンにてくりてくり。時間がちょうどよかったので、TTT吹き替え版を見ることに。
 正直言うと、もう吹き替え版見に行かなくてもいいかなあ、と思っていたのです。FOTRのときは、字幕のあまりの出来の悪さに、吹き替え版の丁寧さが際立っていたのですが、TTTは字幕もまともになったし、元々字幕派の僕としては、わざわざ吹き替えを見る動機もあんまりなかったのです。しかし。
 わたくし間違っておりました。
 吹き替え版、素晴らしいです。品格、感情表現、情報量、いずれも字幕より上です。ここは字幕の表現の方がよかったな、という箇所もありますが、全体として再鑑賞に耐え得る吹き替えであると断言できます。
 ネタバレ感想はこちらに除けておきます。
 
 しかしもう字幕吹き替え通して3回目なのに、全然感動が色褪せないのはなんなんだろう。食い入るように見ちゃったよ。もうだめだ。どうやら僕はこの映画を愛しすぎているようです。
 ちなみに吹き替えを見に行く切っ掛けになったのはこちらの日記(2003/02/23)でした。

 ところで旦那方、こがわみさきの新刊(『セツナカナイカナ』)が出ていますが買いましたか。僕は買いました。読みました。あーもう! いいなあ! 色々と!
 

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