2003/01/29 2号戦車が2輌


 第3弾のWTM初戦果はやたらと地味でした。ちっちゃいなー。
 
 ここ二日ばかり職場に泊まりこんでいて、久々に帰宅。三日目で久々つったら怒られるな。無精髭の伸びた顔を鏡で見たらかなりホモっぽい面構えだったので笑ってしまった。髭文化に生まれなくてよかった。全然似合いません。
 今週いっぱいは忙しそうです。
 
 ・フレドリック・ボワレ+高浜寛『まり子パラード』関澄かおる訳,太田出版,2003.2.17.(1300円)
 
 二人の漫画家の合作。フランス人漫画家ボワレと、日本人モデルまり子のお話。
 高浜寛はたまたま立ち読みしたガロで知ったのだけれど、この人いいです。絵柄も話もすごく好き。読んだことない人には『イエローバックス』もおすすめだ。
 フレドリック・ボワレって何者だろうと思って読んだんですが、作中見覚えのある写真が出てきて氷解。なるほど、あの本の挿絵を描いた人だったのね。
 しかしオビの「鮮烈のエロティック・ストーリー」ってアオリは煽りすぎです(笑)
 
 ・フレデリック・ボワレ→http://www.boilet.net
 
 ・高浜寛→http://www.h3.dion.ne.jp/~morte
 

2003/01/25 銀杏の異臭の中で


 ・今野緒雪『マリア様がみてる』コバルト文庫,1998.5.10.(457円)
 
 巷で評判のアレ。読んでみました。
 わー。百合はいいね。(直球)
 あと、連弾がエロティックなのは、舞城王太郎と同じだね。いやもう全面的に同意しますが。
 
 しかし、確かに丁寧に書いてあって好感の持てる小説だけど、そんなものすごく売れるような本だろうか、と不思議に思いました。しかも今これを買ってる層って、20代から30代の男性だよね。みんなそんなにエスが好きなんだろうか。ほんとに? なんか変な感じ。いや僕はどっちかというとかなり好きですけど。うるさい、だまれ。
 もう10冊以上出ているシリーズみたいなので、読み継いでいくとまた違うのかもしらん。
 フムン。まあ、よくわからないながらもちょぼちょぼ読んでみようかな、と思いました。うるさい、だまれ。
 
 ・美少女がいっぱい! 若者がハマる「マリみて」ワールドの秘密
 

2003/01/24 親分お眠り

 
 ・ハーバート・アズベリー『ギャング・オブ・ニューヨーク』
  富永和子訳,ハヤカワ文庫,2001.7.31.(920円)

 
 映画化を知る前にこちらの紹介を見て興味を持った原作本。映画が(話はともかく、ディティールが)面白かったので、どのくらい原作に忠実なのか知りたくて探していたところ、先日見つけてようやく読むことができました。全然本屋の店頭で見かけないんだけど、やっぱり公開が一年延びたせいかしら。
 
 原題は "The Gangs of New York An Informal History of the New York Underground "。1820年ごろからおよそ100年にわたるニューヨークの暗黒街の歴史を描いたノンフィクションです。どんな時代だったかピンと来ない人も多いでしょうから(僕もです)、ちょっとおさらいしてみると、
 
 1820  初期植民地時代。イギリスでは産業革命真っ只中
 1840  中国でアヘン戦争
 1853  日本にペリー来航
 1861  南北戦争
 1868  日本で明治維新
 1880  資本主義の発展
 1890  フロンティアの消滅
 1905  ロシア革命の始まり
 1914  第一次大戦
 1920  「黄金の二十年代」の幕開き
 
 こんな感じ。100年間のうち大部分が西武開拓時代に重なりますね。つまりこの本は、ワイルド・ワイルド・ウエストの遥か東、ニューヨークで、人々がどのような暮らしをしていたかを書いたものだというわけです。面白そうだと思いませんか? 西部劇の時代に、東海岸でアメリカ人が何をやってたのかなんて、僕の知識からはすっぽり抜け落ちています。
 
 で、どんな生活だったか。これがもう暴力、暴力、ひたすら暴力。何十ものチームに分かれたギャング(とビッチ)たちが、血みどろの争いを延々と繰り広げます。しかも銃器が普及する前の時代で、得物はメレー武器ばかり。拳、歯、爪、棍棒、レンガ、石、ハンマー、斧、ナイフ、肉切り包丁、サーベル、農業用三叉、親指に嵌める目玉えぐり器、斧の刃を埋め込んだ戦闘用ブーツ……。生活の貧しさとも相まって、読みながらこれはポート・ブラックサンドかカーレかと思うことしきり(John Blanche絵で想像しても全然違和感がない)。いや、暴力の規模ではむしろこっちのほうが酷いかもしれません。特に二章を割いて書かれる1863年の徴兵暴動の記述には圧倒されます。徴兵制への反発から起こったこの暴動は、北軍の作戦行動に重大な支障を与えるほど拡大し、南北戦争や独立戦争の激戦に匹敵する死傷者(控えめに推定しても死者2000人、負傷者8000人)を出してようやく収まったというすさまじいものです。なんかもう原哲夫でもいいかもしれん。
 
 そんな暴力の嵐も、100年のうちに次第に沈静化していきます。拳銃がナイフと棍棒とレンガにとって代わり、ギャングたち自身も、いわゆる「ギャング映画」に出てくるような見慣れた格好になっていく一方で、その人数と影響力は下り坂を辿り続けます。海を渡ってやって来た初期のギャングが身長2mの大男たちだったのに対して、貧困と劣悪な生活環境のために、第二世代以降のギャングは150cm、50kgと小柄な者ばかりだったというのは象徴的というかなんというか。そういうわけだから、現代(1920年代)のギャングと呼ばれている連中は「本物の」ギャングじゃないんだよ、というのが作者の主張。ちなみにあとがきによると、この作者自身もなかなか偏屈な、ひとかどの人物だったようです。
 
 これを読む限り、徴兵暴動とビル・ザ・ブッチャーを中心とした脚本の映画版は、オリジナル色の濃いものです。でもネタは丁寧に拾ってたみたい。本の中でもファイブ・ポインツは重要な舞台ですし、デッド・ラビッツも出てきます。ビル・ザ・ブッチャーも有名人に名を連ねていますが、映画ほどの活躍はしないのがちと残念。これに関してはダニエル・ディ=ルイス偉大なりというところでしょう。中国人の秘密結社戦争について一章が割かれていたのも面白かったな。
 他にも意外だったのがヘルキャット・マギー。冗談にしか思えなかったあの人の武装ですが、なんと史実どおりでした。19世紀なのに、あんた煮えすぎだ。
 
 あと一つ。後半の鉄砲で撃ち合うようになってからの時代は、あまり関心が持てずに読み飛ばし気味だったんですが、本の終わりに近いある部分ではたと目が止まりました。ルイス・クシュナーという男が暗黒街の重鎮キッド・ドロッパーを殺す場面。このシチュエーションなんか既視感があるなあ、ドロッパーって名前も妙に引っかかるし……と考えてたら思い出しました。これ、『親分お眠り』じゃないか! 
 "Dropper, you're in trouble. Sleep it now, boss, Sleep it now!" を、「親分お眠り! お眠んなせえやし」って訳したやつ。以前バイトしてた古本屋で見つけたけど買いそびれてえらく後悔したんだよな。
 なるほどねえ、この話だったのね、と感心したことでした。
 
 重ねて言いますが、映画版は見ておくべきです。ストーリーは脚本家を街灯に吊るすのが妥当な代物ですが、雰囲気やディティールは最高に素晴らしいので。とにかく僕はビル・ザ・ブッチャーの魅力を多くの人に知ってほしい。ディカプリオ死んじまえー(罵倒しつつ終わる)
 
 ・作者、Hebert Asburyの紹介
 

2003/01/20 見られたー

 いつも読んでいるWeb日記を見に行ったら、自分の名前があってぎょっとした日。
 というのは、一昨日の『刑事まつり』の話で(無断)リンクした、日高顕一郎さんのまぐらな日記(トップはこちら)のことなんですが。ああびっくりした。こちらこそリンクありがとうございました。
 このサイトを休止する前はアクセス解析が今みたいにメジャーじゃなかったので、こういうのは初めての経験です。ここのサーバ(FC2)にもアクセス解析があるので判ったんですけどね。
 というわけで、こっそり復活してから人知れずもそもそしていたこのサイトですが、とうとう補足されたので、これをもって一般公開の開始とします。リンクに許可は不要ですし、直リンクも問題ないのは以前と同じ。
 これからちょっとずつreconstructしていこうと思うので、気長に見守っていただければ有り難いです。
 よろしくお願いいたします(ぺこり)。
 
 
 それはそうと、『二つの塔』字幕問題に素晴らしい展開が。掲示板の「1462:[報告] TTT社内試写会:その1」から始まるツリーをご覧ください。
 エグレリオ! ア・ライタ・テ、ライタ・テ! アンダヴェ・ライトゥバルメト! まさかこんなグッドエンディングが待っていようとは!
 

2003/01/19 仁慈あまねく慈悲深きアッラーの御名において、RPG

 アフガニスタンD20を遊んできました。
 時代設定は2003年1月。つまり今。プレイヤーは4人、全員3lvからスタートです。うわー、3Eで3lvなんて考えてみたら初めてですよ。
 僕のPCはエンジニア・サラン。パシュトゥン人。マスード司令官の崇拝者で、彼のようにカハラモン(英雄)として死にたいと願う北部同盟の戦士です(Smuggler-Scoutのダブルクラスで、どうも追い剥ぎのようにしか見えないのですが)。エンジニアという名を持ちながら、機械関係の技能はDisable Deviceしかないのがチャームポイント。
 
 彼は最初の戦闘の第1ラウンド、敵のRPG-7を食らってシャヒード(殉教者)になりました。
 
 なお、このラウンドでメンバー4人中2人が即死、1人が昏睡。意識を保っていたのはパーティ唯一のアメリカ人オブザーバーだけ。彼はすぐさま降伏、敵と交渉して、生き残ったもう1人を治療してもらった後、金と武器と引き換えに逃がしてもらいました。カブールの米軍HQに帰り着いてから、当該地域の「タリバン残党」に対する徹底的な空爆が行なわれたとか。
 
 要するに、パーティー全滅、任務大失敗だったわけです。せっかくムジャヒディンになったのに、祈りを捧げる暇もなし。もちろん悔しいんだけど、でもこれがすごく面白かった。
 このゲームが不謹慎だと言われれば、まったくその通りと答えるしかありません。しかし、貴重な体験であったこともまた事実です。多分に単純化され、戯画化された形ではあっても、パシュトゥン人やタジク人になってアフガンに生活する機会なんてそうそうありません。4時間かけて作ったキャラが2時間で即死して笑い転げつつも、終わってみると何がしか残るものが、単なる悪趣味ゲーとして終わらせないものがあったように思います。まあなんというか、色々ひっくるめて、いいゲームではないでしょうか(笑)
 
 しかしRPGは怖い。ブラックホーク・ダウンの気持ちがよくわかりました。始める前はタワーシールド欲しいとか馬鹿なことを言ってたんですが、9/10カバーがあっても6d6 explosive damageの前ではクソの役にも立ちません。RPG持った奴を見つけたら、必ず最初に殺しておくこと。現代戦では一箇所に固まらないこと。これらの教訓を二度と忘れることはないでしょう。
 
 ちなみに、マスターは初めましての桂令夫さん。桂さんの家は『おこんないでね』に出てきたから、初めてお邪魔したのになんか見覚えがあって変な感じでした。台所の窓とか。
 あと、僕もコーラン読もうと思いました。
 
 ・Afghanistan: d20
 ・Why Afghanistan D20?
 
 ・獅子の伝説:追悼マスード司令官
 

2003/01/18 ディアドラが好きです

 王子と一緒に下北沢へ。『刑事まつり』の開催日程を見たら、休日にやってるのは今日しかないということが判明して、急遽行くことにしたのでした。
 したら異様に並んでやがんの。ええっ。
 聞いてみたら次の次の回まで満席とか。混んでるとは聞いてたけど、これほどとは。DVD化は無理だそうだし、これを逃したら見られそうにないのよね。がくり。
 
 仕方なく、敗北感に打ちひしがれて帰ることに。ビレッジヴァンガードでずっと前から(映画製作前から)探していた『ギャング・オブ・ニューヨーク』の原作本を見つけて買ったり、渋谷に出て「博多天神」のキクラゲラーメン食べたり、パルコのMARKを覗いたり。王子は渋谷に詳しくて、ふらふらついていくのは楽しかったです。
 その後、王子が北海道で買ってきた鮭ハラスの薫製を食うという趣旨の飲み会に呼ばれることにして、マンチ邸に移動。おいしかったー。豆乳鍋をつついてお酒飲んだりしつつ、テレビでやってた『RONIN』をだらだら見る。グレゴール(・∀・)カコイイ!! ディアドラたんハァハァ。メタルフィギュアキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!! という映画。こういうサタスペもやってみたいねー、と話したりしました。PCがチンピラじゃなくてプロで、ヨーロッパが舞台なの。
 
 『刑事まつり』に関しては、こちら(1/13)の紹介を読んで知りました。上映期間は1/24までなので、行きたい人はお急ぎを。
 と書いて終わろうとしたら、なんとアンコール上映をやるとか!(2/15〜2/21) ワーイ。でも一週間だけか、忘れないようにしないと。
 

2003/01/17 Swedish Furnitures Go Mad

 『ギャング・オブ・ニューヨーク』のサントラ買ったり、NYAMBEのシナリオ買ったり。
 サントラには、スカーミッシュに出て行くときの行軍曲が収録されてて安心。5曲目の"Shimmy She Wobble"でした。
 シナリオは"Dire Spirits"。4人の1lvキャラ向け導入シナリオだそうです。こういうの買わないといつまでも遊ばない気がする。
 
 ・J.G.バラード『スーパー・カンヌ』小山太一訳、新潮社、2002.11.30.(2300円)
 
 世界中の巨大企業のエグゼクティブのためにカンヌに建設されたビジネスパーク、エデン=オランピアを舞台にしたサスペンス。面白かったです。ニューウェーブSFの投げっぱなしな展開を予想して読んだら、わりと真っ当にホワイダニットしてたのでちょっとびっくり。
 『ハイ−ライズ』を引くまでもなく、極度に脳化した社会に入り込む暴力と狂気はバラードのお馴染みのテーマですが、この作品もその例に漏れません。今回出てくるのは、セックスとドラッグにどっぷり漬かり、皮のボウリング・ジャケットと棍棒で身を固めて野蛮な「スポーツ」に興じる大金持ちたち。退廃ぶりが素敵です。ヨーロッパの歴史さえ感じさせます。日本人の女体盛りなんて、そのダークさと淫靡さにおいて足下にも及びません。
 僕は『ファイトクラブ』がものすごく好きですが、『スーパーカンヌ』は、現代人があの映画のように「どん底まで落ちる」覚悟もなく、半端に暴力に目覚めてしまうとどれだけ醜悪かつ危険になるか、というお話でした。そりゃそうだ、自己破壊に向けるべき暴力衝動の矛先が、全部他人に向いてるんだもの(笑)
 この点で本書のワイルダー(象徴的な名前)は完全に間違っていたと言えるでしょう。
 そして見よ、タイラー・ダーデンが如何に正しかったかを。
 尊敬しています、サー。
 

2003/01/17 Scanners Live in Vain

 スキャナを買ったはいいけど、動かすとハングアップする日々。
 なんだろう。メモリクリーナー入れて様子見ながら動かしても止まるんだよな。
 ちょっと大きいデータを移動しようとしてもハングるし、問題の根は同じ気がするんだけど、パフォーマンス見てるとメモリ使い切ってるわけでもなし。はてな。
 
 ・機本伸司『神様のパズル』角川春樹事務所、2002.11.28.(1700円)
 
 第三回小松左京賞受賞作。巨大加速器で宇宙を作る話。『フェッセンデンの宇宙』の系統ですが、あまり派手にはなりません。どちらかというと淡々としたのんきな展開が続き、描写も研究室内の人間関係などの生臭い方向に偏りがちです。でもつまらないかというとそんなことはなく、むしろリーダビリティはかなり高い。テーマを使い切っていないもったいなさは残りますが(イーガンやソウヤーだったら、このネタでどこまで行くか)、もっと別な部分に力を入れて書いているようなので、これはこれでありでしょう。語り手が卒業をひかえた物理学科の学生で、この時期の大学生のもじゃもじゃした心境がよく表現されていると思いました。というか、大学時代のおのれを振り返ってかなりもじゃもじゃしました。主人公のヘタレっぷりがまた、ああー。死ぬー。
 
 驚いたことに、作者は1956年生まれ。言われないと判らないくらい、大学生の描写に違和感がありません。プロフィールを見ると出版や映像製作、PR映画の仕事に携わってきたようで、そのあたりで養われた感覚なのかなあ。素直に感心してしまいました。
 描写されるテックレベルはほんのちょっと未来。巨大加速器がある風景で田植えって絵はSFでいいですね。
 本編とは関係ないですが、あとがきに出てくる小松左京の発言がかっこよすぎ。
 表紙も好きです。よく見たら装丁は伸童舎。こんな仕事もしてるんだ。
 

2003/01/12 監獄舎新年会

 新宿の「赤レンガ」というお店で散漫な新年会に参加。
 墜落世界でブイブイ言わせている鴻さん(ニューウェーブSFスキー)に、ユービック読んだら面白くてびっくりしたと話したら怒られた。「あったりまえだっつーの、全部面白いっつーの」……全部? そうなの?
 ついでにバラードの『スーパーカンヌ』を貸してもらった。わーい。
 
 店を出た後、食い足りなかったのでどっか行こうかと話してたら、ゲーセン組が『WORLD COMBAT』をやりに行くということだったので、あっさりと飯屋組からゲーセン組に転向(すいません)。小銃いっぱい撃ってきました。プレイヤーが入れ替わり立ち代わり最終面まで行ったんだけど敗北。あのラスボスはどうなのか。ドクロ軍団って、レトリックでもなんでもなかったのか。面白いんだけどさ(笑)
 あと、鴻さんの伝道でポップン9をやってみた。音ゲー自体普段遊んだことがないんですが、こんな難しいの、みんなよくできるなあ。鴻さんによると、頭の中にこのボタンに対応するドライバができれば大丈夫、とのことでした。なるほどね。ニーナがかわいいからやってみよう(キャラ萌えですか……)
 
 今日読んだ本:
 ・小川一水『強救戦艦メデューシン〔上〕』ソノラマ文庫、2002.12.30.(476円)
 
 『群青神殿』と『導きの星』が面白かったのでチェックするようになった小川一水の新作。全長180m、翼幅215mの、空飛ぶ移動野戦病院船メデューシンに乗るナースたちのお話。最前線に強行着陸して、砲弾飛び交う中を六輪突撃救命車で負傷者を回収してまわる。ジュブナイルだけど、あんまり手加減してません。開頭手術も四肢切断も出てきます。
 主人公たちが飢餓に苛まれて、結構洒落にならないとこまで行く展開の第二章がよかったです。
 続きも読むでしょう。
 

2003/01/10 IGNORANCE IS STRENGTH

 スラッシュドットより、レッシグのインタビュー翻訳
 
 質問、回答ともに興味深いのですが、特に印象に残ったのは以下の部分:

 だが私は楽観的じゃない。これを理解できる人間(例:君たち)は悲しいくらい非政治的だ。君たちは無関心を誇りにしてる。君たちは政治家を説き伏せてなにかさせようとする人々に辟易してる。私だってそうだ。だが何もしないでいるうちに、創造性とイノベーションの未来はワシントンD.C.で売り飛ばされてる−大抵は一番高値をつけた、一番むかつくような入札者に。

 『CODE』を読んだときにも感じたのですが、人々が政治に幻滅し、あらゆる政治的なものに不信感を持っているのは、程度の差はあれ、アメリカも日本と同様であるようです。自分もそれは同じで、政治的な発言をすることには少なからず抵抗がある。他人の政治的な言動に対しても身構えてしまう。有り体に言えば、政治という概念には強い羞恥心が伴っている。
 でも、だからといって口をつぐむのは、現状を消極的に肯定することになってしまうわけです。サイレントマジョリティというとちょっとかっこよく聞こえるけど、社会的コンセンサスの上では存在しないのと同じでしょう。もっと言うと、自分をサイレントマジョリティの一員として位置付けている人は、面倒な社会的問題は他人に丸投げしているくせに、自分の思想的な正しさは何の根拠もなく信じ込んでいる、ただ怠惰でオレカッコイイな人なんじゃないかという気がひしひしとしてきました。自戒を込めて言ってるんですが。
 この政治的な言動への羞恥心は我々の中に非常に深く根を張っていて、一種の呪いといってもいいんじゃないだろうか。こういう文章を書く行為自体に、何かものすごく居心地の悪いものがあって、それはやっぱり異様だと思う。
 うーん。単純に、今までの政治団体のイメージが悪すぎるからかな。
 
 『コモンズ』も早いとこ読まないとなー。
 

2003/01/09 なんでこんな地味な表紙なんだろう


 ・神林長平『永久機関装置』ソノラマ文庫、2002.12.30.(648円)
 
 超時空犯罪者であるボルターと、それを追う永久追跡刑事が火星で熾烈な情報戦を繰り広げる話。例えるなら、二人のゲームマスターが、架空世界でPCやNPCを媒介にして戦うようなもんです。どちらも高次元存在で現実改変能力があるので基本的になんでもできて、キャラクターの過去を書き換えることくらい朝飯前(それでも、GM=PC間の関係が一方的にならないのが面白い)。超人病患者は使用上の注意、用量を守ってお読みになれば安全です。
 
 雪風<改>とグッドラックに続いて、神林長平を読むのは3冊目。大変面白かったです。今まで手を出さなかったのは損だったなー。お勧めします。地味な表紙にめげてはいけません。
 しかしディックと似たような題材を扱っているのに、なんと違うことか。
 

2003/01/08 その名はサンティアゴ

 Now, a century later, the name of Santiago is once again whispered along the Galactic Rim ...
 ということで、続編が出たようです。
 
 上記のAmazonの紹介では、有名な冒頭部分が原語で読めますが、すごく読みやすい英文ですね。
 どうですか、速水さん(誘惑)

2003/01/07 使用上の注意を守ってお読みになれば、安全です。

 MBCさんから借りた『ユービック』を読んだ。面白かったよ! ディックはほとんど読んでなくて(パーキー・パットくらい)、なんかかったるそうなイメージを持っていたんだけど、全然そんなことはないサスペンスフルなお話でびっくり。アンチサイの集団が相次ぐ奇現象に巻き込まれる展開は、敵のスタンド攻撃を彷彿とさせます。N◎VAとか遊んでる人が読むと、セッションに変なファンタジーが混入すると思うので注意。
 しかし、この話を読んだ人はみんな「ユビキタス」という単語に触れるたびにこの話を連想してたんだろうな、と思うと少し不思議。文庫本一冊読んだだけで、今まで自分が存在も知らなかった文化的レイヤーに接触できたわけだ。SFだ!
 
 帰りの電車の途中で読み終わってしまったので、乗換駅の本屋で『フィリップ・K・ディック・リポート』を買ってみた。『マイノリティ・リポート』(→公式サイト)公開に合わせて出た本だけど、評判がいいので気になっていたのだった。中身は『SFハンドブック:PKD特集号』という感じ。これによると、ユービックはディックの作品の中でもかなりな傑作である由。なるほど、確かに他のも読んでみたくなったよ。次は火星のタイムスリップか、流れよわが涙か、パーマーエルドリッチかな。
 巻末の年表を見ると、この人はまるでヴォネガットの小説の登場人物みたいな人生を送ったのだな。インタビューを読むと、ヴァリスや聖なる侵入にも惹かれるものが。自分の神秘体験について話そうとル=グィンに手紙を出したら、頭がおかしいんじゃないかとにべもない返事がきたというエピソードに笑ってしまった。しどいしとだよ、ル=グィン。
 作家やジャンル別にこういうガイド本を出していくのは、悪くないんじゃないかしら。文庫ならもうちょっと安くするか、あるいはA5サイズでもっと華があって濃い作りにしてくれると嬉しい。でも映画のスチールで埋めるのはかんべんな。
 
 ・The Lexus Minority Report Experience
  マイノリティ・リポートに協力したトヨタのレクサスのサイト。要Flash。
  映画に登場したマグ=レブ交通システムを体験できるという趣向で、なかなか凝っています。
  ちゃんと車の宣伝になっているのが可笑しい。
 

2003/01/05 身長3m、体重不明

 マレー・ラインスターの『地の果てから来た怪物』を読んだ。
 この本は子供のころの愛読書、ケイブンシャの『世界の怪獣大百科』で知った。怪獣図鑑に載っているくらいだから、既に怪物の正体は判っているのだが、南極にほど近い絶海の孤島というロケーションが効いていて面白く読めた。基地のほかには海鳥のコロニーくらいしかない寂しい島なのだ。
 『遊星からの物体X』タイプの古典的な話で、めちゃめちゃ面白いというほどでもないが、雰囲気がとてもいい。冒頭の飛行機のシークエンスが大好きだ。外に飛び出した一行の頭上を飛び過ぎるところなんか、映画にするとすごく盛り上がるシーンだと思う。
 創元の復刊フェアって、誰が選んでるんだろう。渋いチョイスだ。
 

2003/01/04 初荷

 実家から初荷が届いた。落葉かりんとうが無性に食べたくなって送ってもらったのであった。
 おれはこいつに目がなくてなあ(変なロールプレイ)
 黒糖がかかってない、素のままのやつが一番好きです。
 ぱりぱりしてておいしいので、秋田に行く機会があったらぜひどうぞ。デパートの物産展なんかでも出てたりします。
 
 あと、この前書いたドラゴンクォーターですが、セーブとは別に「中断セーブ」というのがいつでもできることが判りました。これでいつでもやめられるのよぅ。
 さよならよぅ。

2003/01/03 Uplift !

 あのGURPS知性化戦争がッ! 戻ってきたッ!
 ワー(満場起立&拍手喝采)
 
 ……でもGURPSなんだよな(しょぼり)
 Transhuman Spaceといい、なんで(以下略)

2003/01/02 おもしろいのよぅ

 一日中『ブレス・オブ・ファイアV ドラゴンクォーター』→公式サイト)を遊んでました。
 だってセーブポイントが全然ないのよぅ。
 中ボス級4連戦で全滅してくやしいったらありゃしないのよぅ。
 でもおもしろいから困るのよぅ。

2003/01/01 Stastony Novy Rok

 あけましておめでとうございます。
 元旦は映画の日なのでかわしまさんと映画を観に行きましたよ。ここ数年、大晦日徹夜してそのまま元旦映画というのが恒例になっております。
 そんなわけで、朝っぱらから池袋に出てうろうろ。
 「さて、なに観ようかねえ」
 「そうですねえ。ハリーポッターとか……?」
 「もしハリーポッターを観ることになったとしても、君とは観たくないな
 ごもっとも。
 結局『ギャング・オブ・ニューヨーク』→公式サイト)に決定。
 ええと、感想。
 
 ・二つの塔、早く観たいなあ。
 
 以上。
 
 つーか。一体なんだあれは。
 なんだあの腑抜けた展開は。
 なんだあの怒涛の尻すぼみは。
 キエー(叫)
 
 911のあとラストを撮り直したと聞いてたけど、政治的主張も不鮮明で、戦争に反対してるのか、貧富の差を風刺してるのか、アメリカ人の先祖を賛美したいのか、何が言いたいのか、ほんとにさっぱりわかりません。観終わってこれほど困惑した映画は初めてです。この映画を面白いとか感動したとか言う人はどうかしてると思う。
 ダニエル・ディ=ルイスがめちゃめちゃかっこいいのと、冒頭の戦闘がまんまモードハイムなのはとてもよかった。しかしなまじ服飾や雰囲気がいい分、全体としての破綻っぷりに余計に腹が立つ。
 
 是非観てください。冒頭は素晴らしいよ。あとはつまんないよー。
 

2002/12/31 大晦日だよD&D日本語版

 出たばっかりのD&D3E日本語版(→公式ページ)を購入しつつ、年越しD&Dをやりに泥酔さんちへ。
 鮭のハラスとか煮魚とか食ったり日本酒飲んだりのんべんだらりとしつつ、年が変わってからようやくゲーム開始。DMはMBCさん。シナリオは最新号のゲームぎゃざに載ってた『暗闇の中へ』。雑誌にミニシナリオがついてくるのはいいですね。ウォーロック誌の「日曜午後は冒険者!」コーナーを思い出してみたり。

 しかし開始早々、このルールブックのものすごい使いにくさが明らかに。キャラメイクに使う表が本のあちこちに散らばっててとても面倒くさいです。種族の修正、特技、技能、装備と荷重、呪文、年齢、身長体重と、多数の項目をいちいち検索して参照しなければならず、酒の回った頭れはやっれられません。クラスごとにパッケージがあっても、これじゃ焼け石に水だよう。プレハン買っといて正解だったなあ、1人1冊持ってなかったらもっと大変だったはず、今までこれを意識しなかったのは出来のいいサマリがあったからか、これを直すためにリバイスドを出すんなら確かにそれは正解だ、あ、言っとくけどこれは日本語版の問題じゃありません、アメリカ人の過失です。とぶちぶち言いながらキャラメイク。サイコロ振ったら身長6'0"体重191lbsになったので女キャラにしよう。ワー、長身ナオンカッコイーイ。人間のウィザードで21歳で髪が赤くて名前はゴーメンガーストさんだー(酔っ払い特有のファンタジー)。

 まあそんな勝手なファンタジーを投擲しても屁のツッパリにもならないのがD&Dです。パラディン、クレリック、ローグ、ウィザードと雁首そろえて、ダンジョンの最初の部屋を突破できずにほうほうの体で逃げ帰る始末。
 「いいか、俺たちの敗因は、何も考えずに突っ込んだことにある」
 「ソウカー(小田扉ッ面)」
 反省会の後、再度挑戦。今度はなんとかなったようなならなかったような。幸いなことに死人は出なかったが、レベルアップもしなかった。くそう。
 
 こうなるとルールを読み込みたくなるもので、1人1冊ルールブックは必要だと思いました。やっぱり日本語で3Eが読めるというのはすごい有り難いですよ(地味に助かったのは一般装備の名称や説明で、この辺は原書では知らない単語が多すぎてなかなか読む気になれなかったとこです)。みんな買おう。いま遊べなくても買っとこう。翻訳は桂令夫さんだし。サプリが出るかどうかなんて心配してる場合じゃないぞ。まず心配すべきは二刷が出るかどうかだ。AD&D日本語版と同じ末路を辿ってもいいのか。ようやく出た3Eがヤフオクでしか手に入らないようになって、君は本当にそれでいいのか。いろいろ言いたいことがある人もいるだろうが、とりあえず、口でクソ垂れる前に買え(ハートマン軍曹風)。

 あと、DMする人は事前にキャラメイクのサマリを作るのがよいです。手順と参照ページ数をまとめておくだけでかなり違うと思います。

 Dungeons&Dragons プレイヤーズハンドブック
 ・Amazon.co.jp
 ・bk1
 

2002/12/29 Code is Law, Architecture is Politics

 随所で評判だったローレンス・レッシグ『CODE インターネットの合法・違法・プライバシーを読み終えた。評判にたがわず、非常に刺激的で面白い本でした。しかし、長かった……。先月から鞄の中にずっと入ってたよ。難解というわけではないです。論旨は明快だし、訳文もこなれてるんだけど、読んでると色々考えさせられるせいでなかなか先に進めない。もっとも、時間がかかった一番の原因は、途中でゴーメンガースト三部作が割り込んできたことだと思いますが。  
   
 副題にある通り、この本はインターネットの自由と規制について考察したものだ。著作権、言論の自由、プライバシー、身元保証の問題など、現代に生きる人なら多少なりとも関心のあるだろうテーマが具体例をもって語られている。議論の範囲は広くて深く、そこらに蔓延する単純な図式(「ネットは違法コピーファイルが飛び交う悪の巣窟だ」とか、あるいは「政府がネットを規制するのは自由の侵害である」とか)からは遥かに遠いところに到達している。   
 
 この本がすごいのは、今までの単純な議論に感じていたもやもやした違和感に、次々と明確な形を与えてくれることだ。企業による知的財産権の囲い込みがなぜ危険なのか。個人の身元が確実に保証されるようになるとなぜ危険なのか。提示される問題は互いにリンクしており、そのどれもが深刻な危機を招く可能性がある。何に対しての危機か? 価値観だ。我々がいま生きている世界の、よい部分を成立させている仕組み(アーキテクチャ)がすごい勢いで変化しつつあり、その中で、今までは当たり前だった価値観がなし崩しに失われようとしている。   
   
 これは警告の本だ。しかし、レッシグは解決策を示してはいない。社会がどうあるべきかとも言わない。ただ現在進行中の事態を示し、このまま放っておくとひどいことになる、と言っているだけだ。そして、読者である我々に選択を突きつけている。ここで語られている諸問題は、そのうち誰かが解決してくれるという類の問題ではなく、放置しておけばみるみる惰性で悪い方へと落ち込んでいく類の問題(長沼伸一郎の言う「コラプサー」)だ。   
   
 更に、話はインターネットの法規制という狭い枠を超えて広がる。そもそも規制とはなにか。自由とはなにか。民主主義には何ができるのか。この議論展開はセンスオブワンダーさえ感じられるもので、とても刺激的だった。そもそもこの本を手に取ったのは、SF系の日記サイトで何人もがこの本を読んでいたことに興味を覚えてのことだった。読み終えるとなんとなくその理由がわかる。確かにこれはSF好きにアピールする魅力を持っている。どう表現したらいいのか、自分にもできることがあるかもしれない、という気分にさせてくれるのだ。そのため、示されるヴィジョンはひどく悲観的なのに、読み終えるとむしろ、悲壮感よりもすごいものを読んだという高揚感が先に立つ。  
    
 できるだけ多くの人に読まれるべき本です。自由と規制という、ともすれば抽象的になりがちな話がぜんぜん他人事じゃないということを知るために、あるいは頭の中を整理するためだけにでも、手に取ることを強くおすすめします。マブい本です。   
    
    
 ・Amazon.co.jp書誌   
 ・bk1書誌   
  どちらも書評が多く、参考になるでしょう。   
    
 ・関連リンク(「ローレンス・レッシグ」と「インターネットと法律」に分割済み)   
  かなり広く網羅しています。   
   
 余談ですが、レッシグ教授、来日していて、コミケに来るそうです(笑)

2002/12/28 ビューだよ、ビュー

 『刑務所の中』→公式サイト)を観てきました。
 メンバーは吉井さんとイケダさんと、上京してきたMORiTAさん。一緒に行く予定だった速水さんが一向に来なくて気を揉みましたが、後で聞くと仕方がない事情があったようで。残念。
 映画のほうは、驚くほど原作の描写に忠実で、細かいネタを丁寧に拾っている感じ。
 ご飯もちゃんとおいしそうでした。
 観終わった後、喫茶店で小倉のハニートーストを食べたり、コンビニでミニ羊羹と、アルフォートがなかったので似たようなチョコレートビスケットを買って帰ったりしました。
 それくらい面白かったです。
 
 不満点は二つ。
 ・おぼっちゃまがイケダさんに似ていなかった(原作ではそっくり)
 ・本棚の足下にうずくまってマーガリン小豆パンを食べる人がいなかった(期待してたのに)
 それだけです。
 まあ些細なことなので。みんな行こう。原作も読もう。
 

2002/12/25 FeatherFall

 久々に書くと長くなっていけない。
 
 『灰羽連盟』→公式サイト)のDVD1巻が出てたので買ってみた。2000円という価格に釣られてふらふらと。
 でもうちのテレビはテレビデオ。PS2で再生すると、コピーガードのせいで画面の赤みが安定しない症状。
 指輪SEEは大丈夫だったのになあ。がくり。
 
 アニメのDVDって初めて買ったんだけど、高いんすね。映画のDVDが安いのに慣れてたのでびっくりします。
 ウィッチハンターロビンとか面白そうだけど、5000円以上のが何巻も続くとなるとおいそれとは手を出せないですよ。単体では安いとはいえ、灰羽も今回収録されてるのは一話だけだし(次からは三話ずつ入るみたい)。
 初回限定版とは別に、廉価版を出すというのはできないのかしら。プレステのベストみたいに。あれは中古購入のメリットを減少させつつ消費者のニーズを満たしていて、うまいなあと思ったのだけれど。
 
 そんな話はさておき、羽根の生えるシーンはかっこいいよね。ほんのりクローネンバーグ風。

2002/12/24 My name is Indrid Cold

 こっそりと復活。しばらく方向性を模索します。
 しかし、わしら不義理が多すぎてもう考えるのもいやだよ! 悪かったよう! いたくしないでくれよう! ス、ス!
 クリスマス? クリスマスってなにかね? スメアゴルわからないよ。クリスマスもうない。わしらおもしろくないのよ、そうよ、ゴクリ! クリスマスちっともたのしくないよ!
 子供のときはあんなに楽しかったのにねえ。

 12月24日といえば思い出すのが、この前観たモスマン映画『プロフェシー』→公式サイト)。雰囲気のいいホラー映画で、結構楽しんだのですが。
 終盤、死んだ奥さんからの電話を自宅で待ち続ける主人公に、ヒロインの女性警官が電話を掛けてくるですよ。
 曰く、死んだ人にいつまでも拘っていてはいけない、あなたは生きているのだから。
 1人で悩んでいないで、今からうちに来て。
 もう飛行機の予約も取ったし、暖かい料理も用意して待ってるわ。
 「今日は12月24日、誰も1人でいてはいけない日よ」
 
 あそこで終わっていればいい結末だったのに、と思った。

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