Story 8:Here There Be Tigers
 
 登場NPC:
サイバー・ドッグス
カールソン・ルアー(シャドウロード重役)
ピョートルの妻子
クライズ・イン・ジ・ウィンド(ウェンディゴの偉い人)
スポットライト(NYのケルン監視者)
フェブラリー(ワッパー彼女キンフォーク)
ナターシャ(第7話参照)
スターバックス(ワッパー師匠)
〈ウォータンの輝く拳〉4人
ワイルド・シングス

 展開:
 あれから一月、冬のニューヨーク。
 セントラルパークには微妙な緊迫感が漂っていた。シャドウロードたちのざわついた雰囲気。サハラ、バルカン、ニドホッグの会、といった単語が漏れ聞こえてくるが、ピョートルがそばを通りかかると囁き声はぴたりと止む。見知らぬストライダーが不意に訪れては、マザー・ラリッサと話しこんで去ってゆく。シェナンドーへのアプローチも急に増えた。多くの者がこのウェンディゴの小英雄と話をしたがっているようだ。ラット・フィンクスのネットワークを行き交う情報の量が増している、とフェブラリーがワッパーに言う。「まるでガルー社会全体が、あなたたちを先頭に大きく動き出そうとしているみたい」……。
 そして、サイバー・ドッグスがニューヨークに進出してきた。彼らの一部は、同じクラッシング・ブーン・ブーンの仔としてロンのビルに拠点を構え、何やら忙しく活動し始めていた。
 そんなある日、ロンはペントハウスの便所において、直立した虎の姿をした超自然生物の襲撃を受ける。悲鳴を聞いて駆けつけた仲間の前で、虎は次々と姿を変化させながら去る。ロンは深手を負い、意識を失って倒れる。このとき、ロンを介抱しようとしたワッパーにより、かれが女であることが明らかになる。一同、驚愕する。
 その後の調査によって、ロンを襲ったのはワイルド・シングと呼ばれる存在であることが判明する。彼らはワイルドの生き物であり、野生を失ったガルーを粛清しに現れる執行者である。その手を逃れるためにはテクノロジーを捨て、ワイルドに帰依しなければならない。グラス・ウォーカーであるロンにとって、それは不可能な選択であった。
 情報収集中、4人の〈ウォータンの輝く拳〉がワッパーを襲う。極右的なゲットのキャンプである彼らは、ワイルド・シングに導かれて、ロンを誅せんとやってきたのだ。彼らはロンならびにディスコード・ペンタゴンへの宣戦を布告してワッパーを放つ。
 ディスコード・ペンタゴン一行は、ロンのビルの最上階にて〈ウォータンの輝く拳〉を待ち受ける。エレベータ前の狭い通路において短く激しい戦闘が行われるが、ゲットの猛者たちも用意周到待ち受けていた一行の敵ではなかった。最後の敵は窓から投げ落とされ、吹雪の中を数百メートル落下して死んだ。
 当面の脅威は排除したものの、このままでは第二第三の刺客が来ることは明白である。ロンは少しでもワイルドに忠実な姿勢を示さんと、キャンピング・カーに乗ってキャンプに出かけることにする。山中、一行はガスバーナーの焚き火を囲み、缶ビールを空けて盛り上がる。周囲を取り囲む暗い森の中から、烈火のごとく怒ったワイルド・シングスの群れが近づいてくることに、彼らはまだ気付いていない。

 注釈:
 Wyld-Thingsは、Storytellers Handbookから。
 センダックの『かいじゅうたちのいるところ』のかいじゅうが、原文ではWild Thingsなのですが、もしかしてあんな面をしてるのかしら、と夢想。


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