解説
　始まりの時、全てのガルーは、＜原初の狼＞の子孫であるシルバーファングだったといわれています。血が薄まっていき、部族へと分かれていくなかで、シルバーファングは自分たちの血を純粋にたもち、各部族をまとめ、バラバラになっていくのを押しとどめていたのです。今でもこの部族は、他の部族からの尊敬を勝ち得ていますが、年月と近親婚を重ねるにしたがい、彼らの子孫たちはひ弱になってきています。

　何世紀も、シルバーファングは人間の貴族階級と血を交わらせ、彼らの文化に影響を与えたり、逆に与えられてきたりしました。ガルーの中で、シルバーファングが一番儀礼に重きをおいています。かつて欧州全域を支配していましたが、人間の朋友と同じく、以前の威信を失ってしまっています。故郷であるロシアでは、何世紀も保っていた権力を、ごく最近になって失ってしまいました。

　この貴族階級のガルーたちは、その肉体的な美しさ、勇気と名誉とで名を知られています。悲しむべきことに、最近のこの部族の若いメンバーたちは、短期健忘症、軽い幻覚症、夢遊病など、一風変わった問題に悩まされています。どれも精神病というほどでもなく、それほど目立つものではありません。部族の偉大な歴史が各メンバーの肩にずしりと重荷になっており、また多くのものたちはプライドが高く、援助を要請できないでいます。

　シルバーファングは、ガルーのあらゆる美点を体現しています。気高さ、寛大さ、誠実さ、礼儀正しさ、威厳を備えているのです。戦えば、最強の肉食獣となります。政治をとらせれば、雄弁で説得力を持ちます。ガルーの超越性を支持していますが、ガルーの聖なる役目とは、殺戮ではなく、思慮深い叡知にあるのだと、シルバーファングは考えています。しかし、ひとたび怒れば、ゲット・オブ・フェンリスにも匹敵するほど、熱情に駆られ血をまき散らすのです。レッドタロンズやゲットなど、より急進的な部族は、シルバーファングを過去の栄光に酔いどれ、盲目の年老いた王だと見ています。 これらの部族たちは、語られている数々のシルバーファングの英雄の伝説以上に、今こそもっと多くの伝説を残せ、と不満を持っているのです。ガルーの貴族たちの独善性や、ワームの力が増している中で人間たちと親密な態度を批判しているものもいます。シャドウロードはこうした不平にほくそ笑み、好機が訪れるのを待っています。

　シルバーファングの苦境は、ガルーの現在の悲劇の縮図です。誇り高く、外面的には強くとも、ファングは魂と心の病を患っているのです。近親婚とハラノによって、部族の基盤が弱体化しています。それでも、彼らは万事があるべき姿になるように戦っているのです。たとえ、それがもう遅きに達していても。

　この部族の慣習は、長年、闊歩してきた人間の宮廷から派生しています。多くの群れが、称号や儀式を苦心して練り上げています。社会の重要なポストは、年長のシャドウロードが占有し、これに対し、部族の若年の者たちはずっと不満をつのらせています。新月ごとに特別のムートが開催され、多くの群れでは一月に二回以上のムートを行っています。

　シルバーファングのテリトリーは、一人の＜王＞とその宮廷が統治するいくつもの保護領へと分割されています。多くのグラスウォーカーは、このアナクロな制度を馬鹿にしています。ファングに面と向かって、言ったりはしませんが。

　崇拝を集めるシルバーファングは、安らぎとは縁遠い存在です。ある問題を片づけるために、他の部族からの助力が得られなくとも、ガルーの貴族はおもむき、成し遂げるのです。全てのシルバーファングには、伝説になった英雄たちのように生き、率先して全てを捧げ、ガイアに尽くすことが期待されています。
 

　
歴史

　
　 　
社会
　
形質
　出身の家系によっては、特有の特徴（独特な形の鼻、あごの形など）が見られるようになっていることも多くあります。狼形態の時は、常に純白や銀の体毛、、長い顎を持ち、優美な体つきをしています。緑や青色の目を持つことも多く、狼形態の時であっても、ふつう、何らかの形で宝石を身につけています。

テリトリー
　シルバーファングのセプトは、自分たちの優越性をしめすために、広大で、美しい自然があふれる場所を選びます。山や深い森、海に面して高く切り立った絶壁などです。自分たちのテリトリーを必死に守り、部外者の人間やガルーを絶対に侵入させません。
　
保護対象
　欧州から北米にかけて広く住み、住んでいる国々の貴族や裕福な階級の中にシルバーファングは溶けこんでいます。
 

名前
　

　
台詞
　
偏見
■ブラック・フューリーズ――
■ボーン・ノーアーズ――
■チルドレン・オブ・ガイア――
■フィアナ――
■ゲット・オブ・フェンリス――
■グラス・ウォーカーズ――
■レッド・タロンズ――
■シャドウ・ロード――
■サイレント・ストライダーズ――
■スターゲイザーズ――
■ウクテナ――
■ウェンディゴ――